最高の愛 第5話 あらすじ

  2011年5月18日放映

  英語字幕からの翻訳ですので、
  本来のシナリオとは違います。
   
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--------* ナイトクラブの駐車場

眠ってしまったエジョンを外から見つめるジン。
彼は、そっとガラス越しにエジョンの頬に手を添えます。


--------* キムPDとピルジュ:車の中

PD 「カン・セリの招待を断って、俺と逃げ出すのか?」
ピルジュ 「花は贈りましたよ。」
PD 「放送のお陰で、患者が増えたんじゃないのか?」
ピルジュ 「それなのにどうして、僕がヒョンと逃げると思うんですか?
 最近じゃ、患者を診ているのかファンを見てるのかわらなくなりましたよ。」

信号で止まるピルジュの車、そこはエジョンの出演するナイトクラブの前…。

PD 「ク・エジョンさんは、まだこんな小さな町のナイトクラブに出演するらしいぞ。」
ピルジュ 「ク・エジョンさんが歌うということですか?」
PD 「国宝少女のデビュー10周年に、コンサートで歌う者もいれば、ナイトクラブで歌う者もいる。」

ピルジュは、ナイトクラブの中へ。
スタッフの偽トッコ・ジンが彼に声をかけます。

偽ジン 「いらっしゃいませ。おひとりですか?」
ピルジュ 「ク・エジョンさんが今夜歌うんでしょう?」
偽ジン 「あぁ、ク・エジョンさんですか?」
ピルジュ 「僕、彼女の知り合いなんです。ちょっと会わせてもらえませんか?」
偽ジン 「今夜出演するはずだったんですけど、急にキャンセルして帰ったんです。中止になったんですよ!」

偽ジンは、別のスタッフに声をかけます。
「おい! ク・エジョンのポスターを下ろせと言っただろ。」


--------* エジョンとジン:深夜の遊園地

目を覚ましたエジョンは、車を降りてそこにいた男性に声をかけます。
振り返ったジンに驚くエジョン…。

エジョン 「ここはどこなんですか?」
ジン 「あんな哀れな現実の後に、俺とここにいる自分を見て、夢のような気分じゃないか?」
エジョン 「トッコ・ジンさんが、私をここに連れて来たんですか?
 でも私は、ナイトクラブで歌の出番を待っていたんですよ。」
ジン 「あの舞台は、喉にキンバプを詰まらせながら出番を待っていたお前のデビュー10周年記念に、俺が出演料を払っておいた。」
エジョン 「どうしてですか?」
ジン 「お前の惨めな姿の登場も見たかったが、お前を見ているうちに腹が立ってきたからだ。」
エジョン 「どうしてですか?」
ジン 「お前がそんなふうにしているのを見るのが嫌だからだ。」
エジョン 「どうしてですか?」
ジン 「自分でもそれを信じることができないんだから、もちろんお前にも理解できないだろう。
 すべての質問に対する答えはひとつしかない。何だと思う?」

しばらく考えるエジョン…。

エジョン 「トッコ・ジンさん、ひょっとして私を好きなんですか?」

ジン 「ディンドン!」
エジョン 「本当に私が好きなんですか?」
ジン 「そうだ…。だから、俺は自分を恥じている。」


--------* キムPDとピルジュ:ガソリンスタンド

ピルジュは車に戻ります。

PD 「誰かに会うと言っていたようだが、会えたのか?」
ピルジュ 「行方不明で、会えませんでした。」
PD 「顔も見れなかったのか?一体誰なんだ?」


     --------* ナイトクラブ駐車場:ピルジュの回想シーン

     ピルジュ 「(独り言)本当にソウルに帰ったんだろうか…。」
     電話をしようとしたピルジュは、目の前の車の中で眠っているエジョンを見つけます。
     そして、その車を運転するジンを目撃するピルジュ…。

PD 「誰かは知らんが、だいぶがっかりしているようだな。」
そのときピルジュの目に、トッコ・ジンの大きなポスターが。


ピルジュ 「先輩、あれはトッコ・ジンでしょう?」
PD 「いやぁ、お前ですらわかるとは、トッコ・ジンは本当に有名だな。うちのプログラムのMCのカン・セリさんの恋人だよ。だが、お前がトッコ・ジンって、なぜだ?」
ピルジュ 「さっき彼を見かけたんです。」
PD 「今日はカン・セリのデビュー10周年だぞ。一緒にいるさ。この辺をうろついているはずがないだろ?」


--------* エジョンとジン:深夜の遊園地

エジョンに顔を近づけるジン…。
しかし、エジョンの肩の花びらを手で払いのけただけ……。



エジョン 「(咳払いをしながら…)つまり、トッコ・ジンさんは私を好きだと告白してるの?」
ジン 「告白じゃない、自白だ。君がしつこく俺の前に現れて、俺の心の中に居座るから、我慢しきれずに自白したんだ。その場合、誰も告白とは言わんだろう。」
エジョン 「告白でも自白でも、私のことを好きだと言ってるんでしょう?」
ジン 「何回聞くつもりだ?」
エジョン 「ただ信じられなくて。」
ジン 「信じられないかもしれないが、数字は真実だ。もう安全域を20も超えて110だ。少し気分が悪い。」

ジンの心拍計を覗きこむエジョン…。

エジョン 「ひょっとしてこれ、壊れてません?」
ジン 「見ても信じられないなら、自分で感じてみろ。」

ジンは、エジョンを抱き寄せます。
早鐘のような鼓動に驚くエジョン…。

ジン 「さぁ、何とか言ってみろ。どうした? 光栄です、とても感謝していますとか…。感動しただろ?
 自分がそれを受け入れるような立場じゃないと思っているはずだ。震えて言葉も出ないか?」

エジョン 「あぁ…。光栄でありがたいんですけど、震えてはいません。トッコ・ジンさんの鼓動を聞いてからこんなことを言うのは失礼だけど、私の鼓動は高まってないんです。」
ジン 「そうだな、こんな状況で自分を抑えるふりをするのも悪くはない(?)。」
エジョン 「そうじゃないんです。その答えはひとつしかありません。何だと思います?」



エジョン 「私は、トッコ・ジンさんを好きじゃないんです。ごめんなさい。」
ジン 「お前、何を言ってるんだ? まだ目が覚めてないのか?」
エジョン 「確かに夢のようですけど…。」
ジン 「そりゃそうだ。お前には夢のようであるはずだ。 誰もがこんな状況にいられるわけじゃない。だが、俺達はここにいる。なぜだ? それは、俺がトッコ・ジンだからだ。この遊園地は、既に閉まっている。なのに、どうしてまだライトが点いているかわかるか? 大韓民国の最高の俳優がここにいるから、大韓民国一の遊園地がライトを点けているんだ。俺が暗いのを嫌がれば、ライトは俺のためにつねに点灯するんだ。それなのに、ク・エジョン…、どういうことだ? この夢のようなシーンを台無しにするのか?」

エジョン 「夢なら、目を覚まさなきゃなりません。わかるでしょ、トッコ・ジンさん。私は空想の中でイライラしたくないんです。しっかりと目を開けて生きていかなくちゃいけないんです。だから、とにかくここを出ましょう。それと、ライトも消すように言ってください。この夢は見なかったことにすればいいんです。そうすれば、あなたも恥だと思うわずに済みますから。」

エジョンは、彼に背を向けて歩き出します。

呆然とその場に立ち尽くすジン、彼はそっと胸に手をあてます。
ドキンドキン♪


--------* エジョン:帰りの車

兄と電話で話すエジョン…。
エファン 「トッコ・ジンがどうしたんだって?」
エジョン 「何でもないわ。帰ってから話しましょう。もうすぐ着くわ。」


そのとき、突然ジンの車が、エジョンの車の前に割り込んで急停車を!
車を降りて行くエジョン…。

エジョン 「気でも狂ったの?何してるのよ! …、あっ、トッコ・ジンさん!」
ジン 「乗れ!そこに車を置いて、俺の車に乗るんだ。」
エジョン 「もう話は終わったじゃないですか…。家に帰りたいんです。」
ジン 「乗らないのか?それなら、お前が後ろからぶつけたと病院で嘘を言ってやろうか?」
エジョン 「気でも狂ったの?」
ジン 「俺は既にピーターに拒絶されてるんだ。お前のような奴に断られて黙っていられるか。乗れ!」


--------* ジンの車の中

結局ジンの車に乗ったエジョン。

エジョン 「ピーターに断られたという噂を広めなかったように、今度のことも話さないわ。」
ジン 「ずいぶん俺のことを考えてくれてるんだな。」
エジョン 「驚きましたし、それに恥ずかしかったんです。私、全部忘れますから。トッコ・ジンさんのお陰で、奇麗な花も見ることができた、それだけ覚えておきます。」
ジン 「俺のお陰で、奇麗な花が見られた…。いいだろう、それなら俺も、お前に奇麗な花の話をしてやろう。しっかりと聞いてもらわなきゃならないから、車を止めるぞ。」


--------* ジンとエジョン:高台の公園

ジン 「題名は、ツ・バ・キだ!」
エジョン 「奇麗な題名だわ。」
ジン 「物語も奇麗かどうかよく聞け。主人公は、素晴らしい奴だった。家柄も見た目もよく、何も欠点がなかった。完璧な子供だったんだ。だがこの完璧な子供に何が起きたか…。彼は、近所で一番貧乏な(チジリ、찌질이:雑魚?)子供を好きになってしまったんだ。」


エジョン 「チジリ?」
ジン 「そうだ。貧乏で薄汚れた奴だ。とにかくその主人公は、彼女に美味しそうなじゃがいもを差し出した。だがそのじゃがいもがどんなに美味しいかを知らないチジリは、それを断ったんだ。主人公はどう感じたと思う? ただびっくりして恥ずかしかっただけじゃないよな?」
エジョン 「(困惑したような表情で…)それで?」
ジン 「そのチジリは、鶏を大切にしていた。美味しいジャガイモを断られた後、主人公はチジリの鶏をいじめ始めたんだ。躊躇うことなく、残酷に…。」
エジョン 「それで、どうなったんですか?」
ジン 「そのチジリは、許してくれと泣きだした、ツバキの花の下で…。
 俺は今、一生懸命探しているんだ。 ク・エジョン、お前にとっての鶏は一体何だ?」

ジンは、おもむろエジョンの肩に付いた花びらを手に取ります。

ジン 「屈辱の桜の花びらは消え、復讐の赤いツバキの花が咲くときだ!」

高笑いをするジン、苦笑いのエジョン…。


--------* ピルジュの家

冷蔵庫から飲み物を取りだしたピルジュは、そのラベルに目を止めます。
「ここにも、トッコ・ジンが…。」


そこにセリから電話が。

セリ 「私よ、カン・セリ。お花、受け取ったわ。忙しかったんでしょう?」
ピルジュ 「今日は予定があって、町を出ていたんです。」
セリ 「今、何してるの?」
ピルジュ 「今戻ったところです。」
セリ 「それじゃ、私のファンミーティングに来ない?キムPDも来るって言ってたわ。」
ピルジュ 「明日は忙しいので、もう休まないと…。」
セリ 「…、ただ聞いてみただけよ。」
ピルジュ 「僕も聞いていいですか?ひょっとして、トッコ・ジンという人と今一緒ですか?」
セリ 「どうしてそんなこと気にするの?」
ピルジュ 「食事も一緒じゃなかったでしょう?」
セリ 「今は一緒じゃないわ。彼は別の用で出かけたの。芸能記者でもないのに、どうしてそれを気にするの? 私の私生活を…。」
ピルジュ 「気を悪くしてしまって申し訳ありません。うまくやってください!」

ピルジュはそう言うと電話を切ります。

セリ 「切ったの?あんなこと聞いて、恥ずかしかったのね。でも、私が恋人と一緒かどうか、どうして彼が気にするの?」


--------* ジンの家の前

エジョンを乗せたジンの車が、彼の家に到着します。
エジョン 「ここは、トッコ・ジンさんの家じゃないですか。どうしてですか?」
ジン 「自分の家の前に車を止めただけだ。何が問題なんだ。」

ため息をつき、車を降りないエジョン。

ジン 「どうして降りないんだ?」
エジョン 「どうしてこうなんですか?中には入れません。私がそんなに軽く見えるんですか?」
ジン 「手に入れるのが難しいタイプには見えない。降りろ!」
エジョン 「あの家には行きません。」
ジン 「誰が、俺の家に入れと言った?お前は自分の家に帰るんだ。行け!」
エジョン 「家に入れようとしてここに連れて来たんじゃなかったんですか?」
ジン 「違う。降りろ!」

仕方なく車を降りるエジョン…。

エジョン 「こんなところに連れてきて、どうして私に勘違いさせるんです?」
ジン 「お前の家まで送って行ったら、俺が軽く見られるじゃないか。これから俺は、お前を辛い目に遭わせてやる。もうツバキの話を忘れたのか?よく聞けと言っただろう。」
エジョン 「(呆れたように…)トッコ・ジンさん、自分がおかしな人間だってことわかってます?もし誰かを好きになって断られたら、黙って立ち去るか、優しくして彼女の心を変える努力するのが普通でしょう。」
ジン 「お前に優しくするつもりはない。あらゆる手を使って、お前を震え上がらせてやる。これから俺が何をどうするか、楽しみにしてろ。俺が見えても見えなくても、お前は俺のことを考え、心臓がドキドキし始めるんだ?」
エジョン 「(何て人なのかしら…と呟いて)それじゃ、やってみてください。私はクールな人間ですから、あなたの子供じみた行動くらいどうってことありませんから。どうせ、ヒョンギュと同じレベルでしょ!可愛がってあげるますよ。」
ジン 「可愛がる?よし、俺を可愛がってみろ。ク・エジョンさん、今日はとっても奇麗だ。」

思いがけない彼の言葉に思わず身を竦めるエジョン…。

ジン 「偽のトッコ・ジンがお前にこう言ったじゃないか。ほら、可愛がってみろよ。」
エジョン 「どうしてこう子供じみてるんですか?どこか可愛げがあれば、可愛がれるのに…。」
ジン 「可愛げがないってどういうことだ。頭のてっぺんからつま先まで完璧だから、コマーシャルでひとつで数十億ウォン稼げるんだぞ。」
エジョン 「どうして口を開くとそんなことばかり言うのかしら…。」
ジン 「偽のトッコ・ジンと仲良くするのは構わんが、本物のトッコ・ジンには近づくなよ。俺はトッコ・ジンだ。お前のような奴が可愛がるだと…、はぁ~。」
エジョン 「一度やって見せましょうか?」

エジョンは、ジンのお尻を手で叩きます。
エジョン 「おぉ、うちのトッコ、可愛いわ。トッコ、トッコ~!」

いきなり彼女の手を掴むジン。
ジン 「俺が、お前の家のディンドンだと思ってるのか? 7歳の男の男の子への愛情表現と、37年間生きて来た男に向ける愛情表現では、やり方が違うんだ。それを知りたいか?」

顎で家の方向を指すジンに、首を振るエジョン。
エジョンは、顔を近づけてくるジンから慌てて離れます。

エジョン 「どんなに私がクールで飢えていても、心臓がドキドキしちゃうじゃないですか…。」
ジン 「一度動悸が始まれば、とりつかれたようになり、ある日ツバキの花を見ることになるんだ。
 ク・エジョン、ずっと俺を見つめてろ。いつか、俺の背後にツバキの花が咲く…。」

言葉も出ないエジョン…。

ジン 「ほら、家にも帰るのも忘れて、もう俺のことを気にし始めたぞ。とっとと帰れ!」
笑いながら去っていくジン…。

エジョン 「どうしよう…。」


--------* ジンの家

ソファに倒れ込むジン。

「恥ずかしくて、目も耳も鼻も口も全部消えたような感じだったが、克服したぞ! 疲れた…。」


--------* エジョンの家

携帯サイトで「ツバキの花」を読むエジョン…。
「じゃがいもを受け取らなかったからと、彼はずっと私の鶏をいじめ…。最後はどうなるのかしら…。」


     --------* エジョンの想像

     ジン 「それで、もうあんなことはしないか?」
     エジョン 「はい!」
     ジン 「またあんなことをしたら、これからもずっといじめるぞ。」
     エジョン 「はい、はい。もう二度とあんなことはしません。」
     ジン 「鶏は死んだから心配するな。私は話したりはしない。」


「そして、何かに憑かれたように彼は私の肩を掴むとそのまま倒れ込み、私も彼と一緒にひっくり返った。
黄色いツバキの花に埋もれるように……。」

恐怖のあまり、携帯を放り投げるエジョン。
「トッコ・ジンは一体何をするつもりなの? 私と一緒に倒れ込みたいの?」

“ツバキの花の芳しい香りに、私も湧き上がる感情に気が遠のいていった…”


--------* ジンの事務所

新聞の自分の記事を読むセリ。
”カン・セリのセビュー10周年記念に、トッコ・ジンは深夜の遊園地デートで彼女を驚かせた。”

セリ 「遊園地の近くにすら行ってないのに、これは一体何?」
ムン代表 「セリさんのファンミーティングに行かなかったというよりずっとマシじゃない?」
セリ 「トッコ・ジンは、誰かと付き合ってるの?」
ムン代表 「何を言ってるの?誰かと付き合ったとしても、彼がこんなことすると思う?あり得ないわ。」


--------* ピルジュの病院

その記事を読むピルジュ…。そこにピルジュ母が現れます。

ピルジュ母 「あら、そうよ。あなたもテレビに出てるんだから、こういう記事にも興味を持たなくちゃね。あら、ユン・ピルジュの友達のカン・セリさんが載ってるの? 別れたのに、また一緒にいるなんて、どれが本当なのかわからないわ。」

ピルジュ 「彼と一緒にいるのは、彼女じゃなかったはずだが…。」
ピルジュ母 「カン・セリともう親しくなっって、何か聞いたの?友達に聞かせたいのよ。話して。」
ピルジュ 「(耳元で)オモニ、カン・セリと僕はそんなに親しくありませんよ!」


--------* エジョンの家

エジョンを出演させなかったことで、ジンの悪口を言うジャチョル。
エファンは、ジンとセリの記事を読みます。
エファン 「父さん、何かおかしいぞ。間違いなくトッコ・ジンが俺に中止を申し入れてきて、エジョンを連れて行ったんだ。」
ジャチョル 「彼女の副業を理由に、俺達を困らせようとしているんだ。社長でもないのに…!」


--------* エジョンの部屋

ジェニー 「10年経って、セリは本当にすごくなったわね。あの頃はたいしたことなかったのに…。トッコ・ジンみたいな人からプロポーズまでされて…。」
エジョン 「オンニ。トッコ・ジンみたいな人から愛を告白されたら、嬉しい?あんまり有名だと、重荷じゃない?」
ジェニー 「それは少し煩わしいけど、セリとトッコ・ジンならレベルがそう違わないじゃない。」
エジョン 「私くらいのレベルだったら?」
ジェニー 「トッコ・ジンの価値は地に落ちて、ゴミと同類になるわね、ハハハ。あっ、ごめん…。」
エジョン 「大丈夫よ。私はゴミにはならないわ。そんな人と関わっていると、皆に蔑まれ、責められるわよね?」


--------* ジンの事務所
ムン代表 「最近、トッコは誰かと付き合ってるの?」
一瞬驚き、笑顔で首を横にふるジェソク。
ムン代表 「本当に女なの?トッコは女のせいであんなふうにはならないんだけど…。」

そこにエジョンが現れます。
ムン代表 「あっ、ク・エジョンさん!話があるから、ちょっと待ってて。」

オフィスに入ったエジョンは、そこにいるジンに一瞬戸惑いますが、
勇気を出して、彼の前のイスに座ります。

ジン 「ク・エジョン。昨夜はよく眠れたか?」
エジョン 「はい、ぐっすり眠れました。」
ジン 「俺は眠れなかった、ク・エジョンのことを考えていたからだ…。」

驚いて口を押さえるエジョン…。
ジン 「もっと具体的に言うと、ク・エジョンの鶏のことを考えていたんだ。俺は、お前の鶏を見つけると言わなかったか?ひとつ見つけた。見せようか?」

ジンは、ナイトクラブのチラシを取り出します。

エジョン 「それは何ですか? ナイトクラブのチラシ…。」
ジン 「ク・エジョン。事務所に知らせずこっそり出演することは、契約違反じゃないのか…。ムン代表がこのチラシを見たら、面倒なことになる。そうだろ?」
エジョン 「私を悪く言うために、それをここに持って来たんですか?」
ジン 「おぉ、お前のその表情、俺は鶏を捕まえたようだな。」
エジョン 「それを捨てないつもりですか?私にください。」

立ち上がって、彼からチラシを奪おうとするエジョン…。
ジンは、彼女をからかうようにそれをお尻のポケットに入れます。

そこにムン代表が!

ムン代表 「昨日おかしなことがあったそうね。何があったの?」
ジン 「花を見に行ったんだ。」
ムン代表 「本当に、花を見に行っただけなの?」
ジン 「あぁ、ただ美しい花を見ただけだ。二人で話せ、俺は行く。」

席を立ったジンは、 「あぁ、ムン代表…。」と例のチラシを取り出します。
必死で目で訴えるエジョン…。
ムン代表 「何? まだ話があるの?」

結局ジンは、そのチラシを屑かごに…。
ジン 「桜が満開だ。ムン代表も時間があるときに見に行くといい。」
思いがけない彼の言葉に驚くムン代表…。

ムン代表 「あぁ、ク・エジョンさん。ニュースを見たでしょう?」
エジョン 「トッコ・ジンさんのスキャンダルを抑えるのは、本当に大変だったでしょうね。」
ムン代表 「あんなメロドラマみたいなことをする彼を見たのは初めてよ。初めて! 前に、カン・セリが彼を追いかけて、パパラッチに写真を撮られたことがあったわ。彼がゲイだというおかしな噂がずっとあったから、そのときは時期がよかったの。だから私はそれを止めずにそのままにしておいたけど、今は、大きなCFの契約があるから、悪い噂でも出たら問題になりかねないわ。」
エジョン 「どうして私に会いたかったんですか?」
ムン代表 「エジョンさんのソロアルバムを探したんだけど、見つからなかったの。私にサンプルを持ってきてくれたら聞いてみるわ。」
エジョン 「どうしてですか?」
ムン代表 「また歌ってみたくない?」
エジョン 「私にアルバムを出させてくれるんですか?」

エジョンは、それをエファンに話します。
エファン 「よかったじゃないか。お前にアルバムを出させると言ったんだろ?」
エジョン 「考えてみると言ったのよ。」
エファン 「エジョン、お前の仕事が元に戻ってきたな。バラエティショーのレギュラーに、アルバムのレコーディングまで…。」
エジョン 「また春がやって来たのだとしたら、今度はしっかりやるわ。絶対ゴミになんてならない…。」


--------* テレビ局

帰ろうとしたエジョンに、キムPDが声をかけます。
PD 「エジョンさん。今日もナイトクラブで仕事するの?」
エジョン 「どうして知ってるんですか?」
PD 「チラシを見たんだよ。近くに貼ってあったんだ。」
エジョン 「そのこと、会社に言わないでいただきたいんです。」
PD 「それじゃ、内緒でやったのか…。わかった、わかった。だが、ピルジュも一緒に見たんだ。」


--------* ピルジュの病院

エジョン 「誰にも言わないで…!有名人として生きるのはとても大変なんです。とうかわかって下さい。」

ピルジュ 「わかりました。いずれにしても、そこに長くはいませんでしたから。ところで、あの日はク・エジョンさんのデビュー10周年記念の日だったんじゃありませんか?うまくいきましたか?」
エジョン 「ある人のおかげで、花を見ました。奇麗でしたよ。これからも、あのクラブに行って遊んでください。私を知っていると言えば、花火をたくさん用意してくれますよ。」
ピルジュ 「あそこで花火を売ってるんですか?」
エジョン 「灯りとして使うんです。」
ピルジュ 「行ったことがないので、知りませんでした。」
エジョン 「ナイトクラブに行ったことがないんですか?たまには行って遊ぶと楽しいのに…。」
ピルジュ 「僕には、勉強のほうが楽しいんです。」
エジョン 「ユン・ピルジュさんのお母さんは幸せですね。勉強が一番楽しい息子さんを持って。私もそんな息子を持ちたいわ…。」

ピルジュ 「そんな息子を持つためには、そんな男性と結婚する必要があります。」
エジョン 「そうでしょう?でも、そういう男性は、母親の言うことをよく聞くから、私みたいな女とは結婚しないでしょうね。」
ピルジュ 「私のような男だって、たまには母親に反抗しますよ。」
エジョン 「どんなふうに?」
ピルジュ 「わざと母の嫌いなことをしたり…。」
エジョン 「お酒を飲んだり、たばこや賭けごととか…。」
ピルジュ 「いいえ、そういうことじゃありません。秘密なんですが、ラーメンを食べることです。死んだ父が言ってました。女性の言うことは何でも聞いて、彼女を幸せにしなければいけないって。でもときどき理解できずに怒ることもあるじゃないですか。そういうとき、父と僕は、ラーメンを作って一緒に食べたんです。お腹一杯ラーメンを食べて、それから不味そうに母の料理を食べる…。それが我々の反逆の精神だったんです。」
エジョン 「本当にあなたのような息子を産まなくちゃ…。」


--------* ジンとセリ:CF撮影現場

セリ 「誰と花見にいったのか、話してくれないと…。私達のコンセプトは恋人なんだから…。」
ジン 「単なるコンセプトだ。」
セリ 「付き合いたい人がいたら、私はちゃんとあなたに知らせるわ。そうなったら、クールに振舞わないで、焼きもちを焼いて見せて!私もそうするから…。」

ジン 「そんなことをする必要はない。」
セリ 「もう誰かいるのね。その人大丈夫なんでしょうね。でないと、あなたを行かせないわよ。」
ジン 「そいつが大丈夫でなくても、絶対にお前とは別れる。」


--------* エジョンとムン代表:車の中

有名なソングライターとの食事に向かう二人。
そこに電話が…。
ムン代表 「ちょっとトッコの撮影現場に行かなくちゃならないの。」
エジョン 「どうしてそこに?」

--------* CF撮影現場


コンテが気にいらず、中断した撮影…。
ムン代表 「トッコ・ジン、剃りなさい!」

ジン 「俺は、絶対に髭は剃らない!トッコ・ジンの一番の魅力なんだ。これを剃り落としたら、俺の格が下がる。」
ムン代表 「広告主がそう要求しているの。トッコ・ジンの新しいイメージを出したいと言ってるのよ。」

ジェソクを肘でつつくムン代表。
ジェソク 「は、はい、そうですよ!ファンサイトで、髭のないバージョンを見ましたが、完璧な美男子でしたよ、ヒョンニム!」
ムン代表 「わぁ、元々ハンサムなのに、それ以上美男子になったら、女の子が大変だわ。」
制作者 「そうだ。きっと女の子が夢中になるぞ。」
スタッフ 「コンテを見てください。」

憐れみを込めた目で彼を見つめるエジョン。
突然ジンは、エジョンに声をかけます。

ジン 「ク・エジョン。お前はどう思う?髭を剃った俺はどうだ?」

エジョン 「さぁ、どうでしょう…。」
「どうして彼女に聞いたの?」とザワつく周囲…。
はっきりしないエジョンの答えに、 「絶対に剃らない!」とジンは言います。

エジョンは、控室に籠ってしまったジンのところへ。

エジョン 「トッコ・ジンさん。どうしてことを難しくするんですか?剃ればいいんです。大丈夫ですよ。」
ジン 「さぁね…。」
エジョン 「剃っても絶対に素敵だと思います。女性が夢中になりますよ。剃りますよね?」
ジン 「わかりませんね。」

エジョン 「あなた、わざと私にこうしてるんでしょう?恥をかかされたからでしょう?」
ジン 「ディンドン!」
エジョン 「あなたの髭が牛だからって、どうしてディンドンって言い続けるの?」
ジン 「これが扉を開け中に入ったということだ。」
エジョン 「何の扉ですか?」
ジン 「ク・エジョンの鶏小屋だ!ディンドン、ディンドン、コケコッコ~!鶏を捕まえなくちゃ。」
エジョン 「私、ツバキの花を探して読みました。あなたが鶏をどうしようと、私は絶対にトッコ・ジンさんに惹かれたりしませんから!気にしないって言ってるんですよ。前にも言ったでしょう。私はとってもクールなんです。」
ジン 「お前がそう言うなら、鶏を捕まえても面白くないな。いいだろう、クールで適応性があるク・エジョン、俺が髭を剃るのはどうだ?」

エジョン 「(深いため息…)高いCFをやっているのなら、剃らなきゃいけないでしょう。」
ジン 「そういうことは別にして、どう思うんだ?」
エジョン 「素敵だと思うわ。」
ジン 「そうか?それじゃ剃ることにする。お前のために剃るんだ。」
エジョン 「どういうこと?私がノーと言ったら、剃らなかったんですか?」
ジン 「もちろんだ。止めるべきか?」
エジョン 「剃るべきでしょう。スタッフ全員、下で待ってるんですよ。急いで準備してください、トッコ・ジンさん!」
ジン 「だが、お前のために剃るんだから、お前も俺に何かするべきだ。

こうして髭を剃り落とすジン…。

ムン代表は、彼を誉めちぎります。
その横には、真っ赤な口紅を塗ったエジョンが。

ムン代表 「さぁ、準備はできたかしら?エジョンさん、カメラマンもあなたの唇は完璧だと言ってたわ。トッコも、あなたがやるなら喜んでやると言ったし…。トッコ・ジンのファンのことを考えちゃだめよ。これはあなたにとってもいいチャンスのはずよ。」

制作者 「彼の頬に軽くキスをして欲しい。ここに!強くではなく、軽くだ。オーケー?」
エジョン 「オーケー…。」

ジンの隣に座ったエジョンは、彼の頬にキスをします。
制作者 「ノーノー、そこじゃない。」

何度何度もやり直しをさせる制作者…。
どうしていいかわからず、困り果てるエジョン…。

ジン 「緊張してるのか?それなら、目を閉じてそのままでいろ。」
ジンは、目を閉じたエジョンの唇に顔を近づけて行きます。

こうして撮影は無事終了します!


--------* エジョンの部屋

ベッドで寛ぐエジョンに、突然ジンの声が…。
「俺と会っても会わなくても、俺のことを考えると、心臓をがドキドキするようにしてやる。」

エジョン 「頭がおかしくなったのかしら。顔を洗って頭をすっきりさせなくちゃ。」

洗面所に行ったエジョンは、そこに並んだ化粧品の瓶から飛び出すジンの幻を…。
エジョン 「どうしてここに彼が見えるの?あぁ、外で少し頭を冷やさなくちゃ…。」

そしてテラスに出てもジンのことを思い出す自分に驚くエジョン…。

そのとき携帯電話の着信音が!(今度の登録名は、ツバキ!)

ジン 「お前と一緒に行くところがある。出て来い!」
エジョン 「私が、トッコ・ジンさんについて行くと思ってるんですか?」
ジン 「今心臓がドキドキしてるんじゃないのか?そういうときは、行って確かめたほうがいいんだ。俺もそうしたからな。俺はもうお前の家の前にいる。だから降りて来い。」

テラスから下を覗くと、そこには恭しく彼女に礼をするジンが…。
ジン 「何をしてるんだ?早く降りて来い!」

ひとり呟くエジョン…。
「いいわ。どこへ行くのか見てやるわ。最後まで行けば、元に戻れるかもしれない…。」


--------* ジンの事務所

ジェソク 「トッコヒョンが、また一人で出かけたんです。この時間に誰かと映画に…。自分の映画の最初の日と最後の日に見なくちゃいけないって…。」

ムン代表 「あぁ、今日はトッコ・ジンのファイターの上映の最後の日だったわね?」
ジェソク 「それで、VIPの映写室を全部借り切って、いつもなら僕を無理やり連れて行くくせに、今日は誰も来させるなって言ったんです。誰か僕の代わりに行く人を見つけたんですよ。」


--------* ジンの車の中

ジン 「ク・エジョン…。どうして俺はお前を好きなんだ?安っぽい服でみすぼらしい出のお前を…。一体俺はどうしたんだ?」
エジョン 「どうして私がそんな素敵でお金持ちのあなたのことがわかるんです?どうして私にそんなことを聞くのかしら…。」
ジン 「それじゃ、俺がお前みたいなやつを好きだと誰に話せばいいんだ?当事者のお前以外に、このことを話せる奴はいないんだ。」


エジョン 「他の人に話すのが恥ずかしいから、私に相談してるんでしょう?」
ジン 「そうだ。だから、秘密にしておかなきゃいかん。誰かに話したりしたら、訴えるからな。公になればもっと気が楽だが、まだ自分の気持ちに疑問がある。だから、じっくり考えているんだ。ク・エジョン、ひょっとしてお前、シンキ(神気?)を持ってないか?お前がそんな力を持っていれば、すべての説明がつくんだ。よく言うじゃないか、魔女が人の気持ちを変えるとか…。お前がそんな力で、俺の心をコントロールしている…。そうじゃないのか?」
エジョン 「それじゃ、私があなたに呪文をかけて、私を好きにさせてると言うの?」
ジン 「ただあまりにおかしいから…。神気でないなら、ひょっとして、カラフル気運?(칼라풀한 기운)か?」
エジョン 「カラフル気運って…、色気?」
ジン 「正確に発音しろ…。男はそういうものに惹かれるだろ。」

エジョン 「(やっぱり私を責めようとしているんだわと呟いて)私は、そんな神気も色気も持っていませんけど、少し癇癪持ち?(똘끼)なところがあるんです。だから癇癪を起こす前に、少し黙ってくれませんか。」
ジン 「はい、ク・エジョンさんの癇癪は有名ですから…。その癇癪で10年前、カン・セリを叩いて自分の人気をぶち壊し、10年でここまて落ちてしまったんでしょ。ハハハ!」


エジョン 「どうして口を開けばそんなことばかり(똥꼬…ジンの前の登録名)出てくるのかしら…。」
ジン 「何、똥꼬?」
エジョン 「せっかく私が出て来たんですから、気分を壊さないで、とにかくもう何も言わないで。」

ブツブツ言いながら、飲み物を口にするエジョン。
そのとき車がバウンドし、飲み物が零れてしまいます。

不機嫌そうなエジョンに、思わず口から出かかった「ごめん!」という言葉を飲み込むジン。
代わりに、 「汚いからこれで拭いておけ。」とティッシュを差し出します。
エジョン 「(シートを拭きながら…)あなたがやったのに、まるで私が悪いみたいに…。」
ジン 「車じゃなくて、自分を拭くんだ。」
エジョン 「もういいわよ!」


--------* カップルメイキング制作部

PD 「スタジオで収録している間に、我々が誰とどんなデートをするかを決めておく。後は、お前が現場に来て撮影をするだけだ。」
作家 「船上デートは一番効果的だから、ク・エジョンが選ばれるわけにはいかないわ。」
ピルジュ 「ク・エジョンさんが選ばれたら、どうしてだめなんですか?」

PD 「船上デートは、一番ラグジュアリーな設定で準備しているんだ。」
作家 「それなのにク・エジョンが選ばれたら、安っぽく見えるじゃない?」
PD 「だが、エレガントな雰囲気の中で、ク・エジョンが何かやらかしたら面白いかも知れんぞ。」
作家 「あぁ、ク・エジョンが落ちたら、タイタニックのパロディだわ!何か恥ずかしくてもやってもらわなくちゃ…。ユン・ピルジュさんが自分でやる必要はないのよ。リアクションだけとってくれれば…。タイタニックのパロディ、知ってますよね?」
ピルジュ 「(不機嫌そうに)知りませんよ。」

そこに出前が…。ピルジュに勧めるハン作家。
ピルジュ 「結構です。食べたくありません。」


--------* コンビニ

機嫌を損ねたまま制作部を出たピルジュは、コンビニでラーメンを。
そして取り出した飲み物のジンの広告写真に、水と取り換えるピルジュ…。


--------* テレビ局

朝からササミしか食べてないと気遣う付き人を食事に行かせるセリ。
彼女は、エレベータの前に立つピルジュを見つけ、足音を立てその隣に並びます。
彼女に気づいて 「あっ!」と声をあげるピルジュ…。
セリ 「やっと私に気づいたのね。で、それは何なの?」
ピルジュ 「ラーメンです。食べますか?」
セリ 「撮影があるの。ラーメンを食べたら浮腫んじゃうわ。」

結局セリは、ピルジュと一緒に席につきます。
ピルジュは、彼女の前にお湯を注いだラーメンを。

セリ 「ホントに一口だけいただくわ。」
一口だけ食べ、ピルジュにラーメンを戻すセリ。
ピルジュは、 「これも!」とキムチも勧めます。
セリ 「それじゃ、もう一口…。」

もう一口と言いながら食べ続けるセリ…。
しかし、全部平らげた彼女は、突然怒りだします。

セリ 「私、全部食べちゃったわ。どうして私にこんなことさせたの?どうして黙って見てたのよ!」
ピルジュ 「あなたが食べ続けていたから、止められなかったんです。」
セリ 「あぁ、おかしくなりそうだら。どうしたらいいの?」
ピルジュ 「たかがラーメンじゃないですか。たいしたことじゃないでしょ?」
セリ 「これがどういうことかわかる?ラーメンを食べて番組に出たら、その日のうちにインターネットに写真が載って、皆がカン・セリが太ったって騒ぐのよ。聞いたことないの?」

笑いながら電話をかけるピルジュ。
ピルジュ 「あぁ、キム室長。今処方箋を書いて送りますから、すぐ薬を処方してこっちに送ってください。」
そしてセリに、 「どこに送ればいいですか?」と。
彼に住所を言うセリ…。
ピルジュは、明日朝一番に届けるよう指示します。

ピルジュ 「食事の後、この薬を飲むと浮腫みに効果があります。」
セリ 「これで私の住所を知ったわね。誰にも言っちゃいけなかったのに…。」
ピルジュ 「もし誰にも知られたくないのなら、別の場所に送りましょうか?」
セリ 「いいわ。でも、私の住所、ユン・ピルジュさんだけにしてよ。」

「それじゃ…。」と立ち上がるピルジュに、セリは 「今度ごちそうするわ!」と…。
その言葉に何か思いつくピルジュ…。
ピルジュ 「それでしたら、代わりに僕の頼みを聞いてください。船上デートのタイタニックのパロディをご存じでしょう?僕がやらないようにして欲しいんです。」
セリ 「わかったわ!」
ピルジュ 「ありがとうございます!それじゃ…。」

一人ブツブツ言うセリ…。
「ラーメン、美味しかったわ。ゆっくり食べれば、彼ともっと話せたのに…。」

そしてセリは、ピルジュの後を追います!
セリ 「食事をごちそうする代わりに、映画はどう?」


--------* 映画館

駐車場で、バンプに気を使うジン…。

それに気付き思わす笑みを浮かべるエジョンに、ジンも笑顔を(^^)


--------* セリとピルジュ、そしてPDと作家:車の中

セリ 「今日は、ファイターの最終日だけど、私まだ見てなかったの。あっ、ユン・ピルジュさん。私の恋人の映画、どれを見ました?」
ピルジュ 「トッコ・ジンさんの映画は1本も見たことがありません。」
セリ 「彼の映画のうち2本は、大ヒットだったのよ。」
ピルジュ 「僕は映画にあまり関心がないので…。」
セリ 「映画が好きじゃないのに、私が無理に誘ったのかしら?」
PD 「ピルジュは行きたくないところへは行かない奴だったんだ。だが最近、トッコ・ジンが気に入っているようで、彼のことを聞いてばかりいるんだ…。」
セリ 「ユン・ピルジュさん、本当にそうなの?」
ピルジュ 「(困ったように)はい、彼がどんな人か知りたいんです。」


--------* 映画館

電話でジンと話すエジョン。
エジョン 「VIP室でしょ?先に行ってます。あっ、私に飲み物と食べ物を買ってきてください。」
ジン 「だめだ。俺は、隣で人がむしゃむしゃ食べながら映画を見られるのが嫌いなんだ。」
エジョン 「それなら、コーラだけでも買ってきてください。2時間も座ってたら、喉が渇きますから。」
ジン 「だめだ。飲み物をすする音が何より嫌いなんだ。」
エジョン 「とにかく何か買って来てくれますか?音は立てませんから。」
ジン 「何もなくても大丈夫だ。」


ため息をつくエジョン、その後ろにはムン代表に電話をするジェソクが…。
ジェソク 「ムン代表、今劇場です。」
ムン代表 「トッコ・ジンに見つからないようにね。少し距離をとって、誰なのか見るのよ!」
ジェソク 「VIP室の前で、誰なのか確認します。写真も撮りますか?」

そしてピルジュとセリもそこに…。

セリ 「皆は、食べ物と飲み物を買いに行ったわ。ユン・ピルジュさん、ひとつ聞きたいことがあるの。この前のファンミーティングのとき、私に恋人と一緒かどうか聞いたでしょ?どうしてそんなことが気になったの?有名人に関心がない人が、トッコ・ジンにはとても興味があるようね。私の恋人がどんな人か、気になるの?機会があれば、会えるわ。」


VIP室の前で待っているジェソク。
そこにエジョンがやって来ます。
ジェソク 「あっ、ク・エジョンさんだ。どうして彼女がここに?」

VIP室のシートに座ったエジョンを見つめるジェソク…。
ジェソク 「それじゃ、ク・エジョンさんが…?」

自分自身に 「大丈夫だわ!」と言いながら、シャツについたシミを見つめるエジョン…。
彼女は、トイレでそのシミを洗います。

VIP室を出て来たジェソク…。
「あぁ、どうしよう…。ムン代表に話すべきなのか?」

そこにセリとピルジュが…。慌てて背を向けるジェソク。
セリ 「ジェソクさん、どうしたの? あぁ、ファイターの最終日だから見に来たのね。
 私も皆と一緒に来たのよ。一緒に見ましょう!ユン・ピルジュさん、いいでしょう?」
ピルジュ 「はい…。」
セリ 「トッコオッパはどこ? もう中に入ったの?VIP室でしょ?」

ジェソク 「いけません!あなた方は一緒に見られません。」
セリ 「誰かいるの?」
ジェソク 「いませんよ…。」

セリはピルジュに声をかけると、ジェソクを奥に連れて行きます。
セリ 「今いるのは、この前と同じ女でしょ?」
ジェソク 「知りません。」
セリ 「知らないふりをしないで!誰なの?」

そこにエジョンが戻って来ます。
彼女に気づくピルジュ…。 エジョンも慌てて彼らに背を向けます。


押し問答を続けるセリとジェソク…。
セリ 「私が中に入って確認しようか?私には話して。一体誰なの?」
ジェソク 「知りません!」
セリ 「彼は女と一緒なんでしょ。女がいるんじゃないの? 違うの? 誰なの?」

その場を逃げるように立ち去るエジョンに、何かを納得するピルジュ。

PD達を見つけ、慌てて帽子を落とすエジョン。
それをピルジュが拾い上げます。
エジョン 「今ちょっと…。私を見なかったことにしてください。ごめんなさい。」

去っていくエジョンを、ピルジュは悲しげに見送ります。

「トッコ・ジンさん、何をしてるのかしら…。」と呟くエジョン。
ジンはポップコーンとコーラを買って既にVIP室に…。

やって来ないエジョンに、ため息をつくジン、彼の手にはポテトが!
そこにエジョンから電話がかかってきます。

ジン 「どこだ?」

エジョン 「一人で映画を見てください。私は行きません。私には、これが限界…。現実に戻る時間なんです。」
ジン 「俺は、お前が欲しがっていたポップコーンやコーラ、ポテトまで買って来たんだぞ。」
エジョン 「どうしたんですか?私、本当にポテトが怖いんです。」
ジン 「俺が鶏を捕まえるのが怖くて、俺を避けているのか?」
エジョン 「そうです。怖いんです。あなたにいじめられるのが怖いんじゃなくて、あなたにいじめられても何ともない自分が怖いんです。もっとクールになりたいと、今の状態になるまでどれだけ頑張ったか…。それをあなたに心が揺れて、すべて無駄になることが怖いんです。」


電話をしながら、ジンはエジョンを探しに行きます。

エジョン 「トッコ・ジンさんは、今は私とのことを何も恐れていないかもしれません。でも私に捕まったらどうしますか?」

第6話に続く!
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