最高の愛 第8話 あらすじ

  2011年5月26日放映

  英語字幕からの翻訳ですので、
  本来のシナリオとは違います。
   
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--------* テレビ局の前

大勢の記者の前で、エジョンに運動靴を履かせるジン。


エジョン 「トッコ・ジンさん!何をしてるんですか?」
ジン 「ク・エジョンさんの運動靴を買い、それに1,000万ウォン寄付したのは、私です。
 ク・エジョンさんと同じ会社だからということだけではなく、カップル・メイキングのMCは
 私にとっても特別なんです。それで、私は静かにこのイベントに寄付をするつもりでしたが、
 お騒がせして本当に申し訳ありません。」



記者 「どうしてカン・セリさんのバッグを買わないで、ク・エジョンさんの運動靴を買ったんですか?」
ジン 「秘密にしておきたいことがもうひとつありましたが、それも明かさなければならないようです。
 1,000万ウォンの寄付の他に、1,00足の運動靴を寄付することを希望しています。」

指を鳴らすジンの合図で、運動靴を積んだトラックが現れます。


ジン 「このようなことをするといつも、”寄付天使トッコ・ジン”とか、”翼のない天使トッコ・ジン”
 という見出しになります。それが負担だったのです。それで今回は、誰にも知られずにしたかったので、
 身を潜めていたのです。それが皆さんの知るところとなり、このような騒ぎを起こしてしまったこと、
 皆さまに深くお詫びいたします。」

深く頭をさげ、 「극뽀옥~!(克服?)」と呟くジン…。


トッコ・ジンの行動はすぐ記事の見出しに!


”ク・エジョン騒動は、トッコ・ジンの優しさによるもの…。”
”寄付天使トッコ・ジン、エジョンのスニーカーで愛を伝えた…。”

--------* エジョンとジン :局の部屋

ジンは、ネチズンの意見をチェック!
「トッコ・ジンは、運動靴を買うことでク・エジョンの足かせ女のイメージを取り除こうとしたそうだ。」
「1,000足も運動靴を寄付したの?」
「あれだけのCFを撮っているのに、まだあんなちっぽけな寄付のことで騒がれたいのか。」
「100ウォンでいいから、自分で寄付したらどうだ?運動靴の寄付ってなんだよ?」



ジン 「俺の寄付への反応はほとんど好意的なものだ。ク・エジョンの運動靴も話題になった。
 お前がいい印象を与えれば、CFも取れるもしれないぞ。」
エジョン 「全部トッコ・ジンさんがしたことじゃありませんか。CFはトッコ・ジンさんがやってください。」
ジン 「それも悪くないな。その種の広告は、いつもスポーツスターに占領されているが、
 この新しいイメージを利用して、その市場に入るのもいい考えだ。代表と話してみるか…。」
エジョン 「さっきは、本当に驚きました。トッコ・ジンさんが突然現れた時、私…。」
ジン 「あんな大勢の前で、俺がお前を好きだから運動靴を買ったと言うと思ったのか?」
エジョン 「私と付き合うことで、あなたの評判が傷つくことを恐れているんじゃないんですか?
 私、嫌んです。あまりにも負担で…。」



ジン 「お前のせいで、俺のハートは少々壊れた。だが、俺の脳が壊れたわけじゃない。ク・エジョンが俺を好きじゃない以上、俺は片想いであることを認めることにした。もちろんそれは少し悲しいが、いいこともあるはずだ。俺がそうわかっていれが、お前が巻き込まれるような状況にはならないだろ。」
エジョン 「それがわかっているのでしたら、こんどは運動靴に1,000万ウォン使ったりしないでください。」
ジン 「俺は俺の好きにする。片想いのいいところは、何でも好きなようにできることだ。お前が俺を受け入れないことは分かっているから、お前にそれを頼んだりはしない。俺はしたいようにするから、心配するな。」
こう言ってジンは部屋を出ていきます。

--------* ジンとセリ :局の廊下



セリ 「私のバッグを買っていればよかったのよ…。」
ジン 「バッグよりも運動靴がよかったんだ。」
セリ 「ひょっとしてあなた、ク・エジョンに弱みでも握られてるの?」
ジン 「あぁ、大きな弱みを握られている。だからお前も、ク・エジョンへの態度には気をつけろ。」
セリ 「どうせ、エジョンオンニと会うことはないわ。今日の収録の後は、もう番組にはいないんだから。」
ジン 「何? なぜだ?」
セリ 「ク・エジョンは、今日脱落するのよ。今PDと作家が、ユン・ピルジュさんと話しあってるわ。」


--------* カップルメイキング制作部

作家 「番組を続けたいのなら、ク・エジョンさんを落とさないと…。ユン・ピルジュさんの個人的感情とは関係ないのよ、私達は番組を護らなくちゃいけないの。だから、今日でク・エジョンさんを落としてちょだい。」


ピルジュ 「僕は、ク・エジョンさんを落とさなくちゃいけないんですか?」
PD 「お前の気持ちがク・エジョンさんにあって、他の人達を落としたら、プログラムの緊張感がなくなるだろ。お前が決めることだし、賛成はできないだろうが、俺達の立場もわかってくれよ。」

--------* ジンとピルジュ :カフェ

局のロビーでパッタリ出会うジンとピルジュ…。


二人はそのままカフェに行きます。

ピルジュ 「あの運動靴に賭けていたのは、やはりトッコ・ジンさんだったんですね。」
ジン 「誰かさんが値をつり上げてくれたお陰で、私はたくさん寄付することができた。」
ピルジュ 「トッコ・ジンさんは、ク・エジョンさんを助けたと考えているかもしれませんが、私から見ると、彼女を動揺させ、さらに窮地に陥れたんです。」
ジン 「そう考えているなら、自分の人生をあの番組に賭けているク・エジョンさんを救うべきだ。」
ピルジュ 「できるものなら、彼女を辛い目に遭わせていることすべてから彼女を救い出したいです。」

ジン 「そうだ、我々はそういう世界に生きているんだ。だが、彼女はは傷つけられても、その度にそこにしがみつき這いあがってきた。そしてここまで生き残ってくるとは、本当に驚くべきことだ。俺が君のような一般人に勧めたいク・エジョンを救う方法は、1本のバラを与えて、ク・エジョンが命がけで頑張っている番組にもう1週間出られるよう助けてあげることだ。オーケー?」


--------* カップルメイキング収録会場

作家 「ユン・ピルジュさんにははっきりと話しておいたわ。だからうまくやるはずよ。」
セリ 「はい…。」

作家 「でもセリはうかない表情ね。あなたのバッグがヒットすると思ってたのに、どうなってるのかしら…?」

そのセリの視線の先には、エジョンとピルジュが…。



ピルジュ 「大丈夫ですか?あなたが辛い状況にあったのに、何もできず申し訳ありませんでした。」
エジョン 「うまく片付いたから、もう大丈夫です。」
ピルジュ 「僕は、ク・エジョンさんがいる業界の者ではないので、そちら側のルールに沿ってあなたを守ることができません。ただ、僕のやり方であなたを助けますから、それで許して下さい。」
エジョン 「もし私を落とさなくちゃいけないのなら、心配しないでください。ユン・ピルジュさんを責めたりしませんから。」

こうして番組の収録が始まります!



セリ 「……、今日は2人目が脱落する日です。左に3本のバラがありますが、残る女性候補者は4人!今、彼女達はユン・ピルジュさんのバラを待って不安そうに立っています。誰が脱落するのでしょうか…。ユン・ピルジュさん、準備のほうはいいですか? それでは選んでいただきます。ユン・ピルジュさん、バラを渡して下さい。」

厳しい表情で前に出るピルジュ…。

彼は、まっすぐエジョンの前まで行くと、彼女にバラを差し出します!

思いがけない光景に、ざわめく現場…。
PD 「俺達の忠告を聞かなかったな…。」
作家 「全然通じてないわ…。」


ジンもスタッフの後ろから見つめています。
ジン 「何とか生き残ったぞ…。」

セリ 「はい、最初の勝者は、ク・エジョンさんです!それでは、ユン・ピルジュさん、2本目の…。」
そのと現場に大きなどよめきが…。
「何をやってるんだ?」
その声に、立ち去ろうとしていたジンも、思わず振り返ります。

2本目のバラも、そして3本目もエジョンに差し出すピルジュ!
唖然とするセリ、PD、作家、候補者達…。


ジン 「1本だけだと言っただろう…。誰が花束を渡せと言ったんだ?」


作家は、セリに 「カット!」と合図します。
セリ 「しばらく収録を中断します。」
エジョンとピルジュに群がる記者達…。

セリは、じっと二人を見つめているジンに気づきます。

また心拍数が上がり、そのまま会場を出て行くジン…。
セリ 「トッコ・ジンが掴まれた弱みって、心だったの?」


--------* 控室



エジョン 「どうしてあんなことをしたんですか?たとえ今日のことを放送しないとしても、記者達全員が見てたから、もうどうすることもできません。」
ピルジュ 「僕のやり方でやると言ったでしょう。さっき僕は謝りましたが、あれは正確には自分に腹を立てていたんです。あなたが誤解されるようにし、それで辛い状況にさせたこと、そして、あの人がまた現れてあなたの気持ちを揺らしているのを、ただ黙って見ていた自分に腹を立てていたんです。あなたを悩ませていた人は、トッコ・ジンでしょう? さっき一緒にいるのを見ました。あなた方のいる世界を、僕は知りません。でも、あなたをそこから連れ出したいんです。そうするために、僕はまず自分に正直になって、あの人のせいで揺れ動いているあなたを捉まえなければなりません。これは(バラを見て)、僕なりのやり方で、僕の気持ちをあなたに正直に伝えたんです。これからは、あなたを治療する代わりに、傷つくことがないようあなたを守りたいんです。ク・エジョンさん…、僕はク・エジョンさんが好きです!」



--------* ジンとジェソク :別室

ジン 「あの医者が勘違いをしたんだ。ク・エジョンは、あの番組に人生を賭けていた。それなのに、奴は花束の集中攻撃をした。すべて台無しだ。」
ジェソク 「漢医師の奥さんになるかもしれないのに、番組に未練なんかありますか?」
ジン 「ク・エジョンの番組への情熱がどれほど高いかわからないのか?食べていくために本当に頑張っているんだ。もし食べて生きる問題が解決したら………、出なくていいんだ。」


胸を抑えるジン…。
ジェソク 「大丈夫ですか?」
ジン 「いいんだ。細く長く1輪1輪だろうが、太く短く集中攻撃だろうが、ショックは同じだ。これを過ぎたこととして受け止めて、もう会わなければ、大丈夫だ。」
ジェソク 「ヒョンニム、今制作部が、二人を番組に出し続ける方法を相談しているんです。」
ジン 「何? これで終わりじゃないのか?」


--------* カップルメイキング制作部

PD 「済んだことは済んだことだ。注意して処理しなければならない。」
作家 「来週の放送はどうすればいいの?女性の有名人は捉まえられるとしても、1週間でどうやって完璧な男性を見つけられるって言うのよ。」
PD 「ユン・ピルジュとク・エジョンの話を続けてみるのはどうだ? 番組の最後を編集して……。」
作家 「そうだわ。ク・エジョンがユン・ピルジュを受け入れるかどうか。これだけでも、放送の素材としては十分価値があるわ。」
PD 「ピルジュが引き起こしたんだから、彼はやらないとは言えない。ク・エジョンさんもやると言うだろう。」


--------* テレビ局駐車場

エファン 「ユン・ピルジュがお前に花を全部あげたということが、たいへんな反応だ。女性は死ぬほど嫉妬してるよ。放送されたら、もっと大変なことになるはずだ。」
エジョン 「素敵な王子様に助けられた不人気なシンデレラ…。だから皆見たがるのよ。」
エファン 「リアルならどうなんだ?リアルなら好きのか?」
エジョン 「リアル?」

そう言って、エジョンはバラを、そしてスニーカーを見つめ、靴を履かせてくれたジンを思い出します。


エジョン 「好きよ。」
エファン 「もう個人的なインタビューは受けるなと言っていたから、記者に見られる前に行こう!ここで待ってろ。車を取って来るから…。」

エジョン 「(靴を見ながら)この人のところへは行けないし、(バラを見て)この人のことはどうするの?」
行ったり来たりを繰り返すエジョン…、それをジンが見ています。


ジン 「1本でもあんなに嬉しそうだったのに、集中攻撃を受けて頭がおかしくなったのか…。いいだろう、俺はプライドを持って何事もなかったかのように素早く通り過ぎてみせる。俺は克服できるぞ。なぜだ?俺はトッコ・ジンだからだ。発進!」

エジョンの前で車のスピードを落としながらも、必死の形相で通り過ぎようとするジン…。
何故か車を止めないジンに、エジョンは窓ガラスをノックします。


ジン 「(窓を開けながら)何だ?俺はただ通り過ぎようとしただけだ。なぜ止める?」
エジョン 「車がどうかしたのかと思って?何でもないのなら…、さようなら。」
ジン 「いやいや…。止まったついでだ、乗れ! 話がある。」
エジョン 「一体、なんですか?」

ジン 「花束をもらって有頂天になっているお前に、別の花のことを話さなきゃならないんだ。」
エジョン 「椿の花の話?」
ジン 「それはもう話した。別の話だ。気になるだろ?乗れ。」


--------* 小学校の校庭

ジン 「タイトルは、진달래(ツツジ)の花だ!!!」
エジョン 「詩でしょ?それは知ってます。
     ”私の顔も見たくないと 去るおつもりならば、何も言わずにそのまま行かせてさしあげます…”」
ジン 「”あなたの進む道筋に、つつじの花を撒きましょう”…だ。」
エジョン 「花を撒く必要はありませんよ。」
ジン 「だめだ、撒きゃなきゃならないんだ。その花を、お前が踏んで行くかどうか…。よく聞け。」


ジン 「ここは小学校だろ?俺は普通の子供のように小学校に通ったことがなかった。」
エジョン 「どうしてですか?」
ジン 「できなかったんだ。俺はいつも、病院にいた。」
エジョン 「どうしてなんですか?」
ジン 「俺は今とても健康でセクシーさが溢れているから、お前には想像できないかもしれないが、俺は病弱な美少年だったんだ。」
エジョン 「子供の頃、病気だったんですか?」
ジン 「そうだ、病気だった、長い間ずっと…。ほとんど何もできなかった。10年前に手術が成功してから、俺が俳優になる決心をした理由は、すべての仕事をやってみることができるからだ(?:모든 직업이되어볼 수 있는 배우라는 직업을 선택했다고)。」
エジョン 「トッコ・ジンさんについてのそんな話は、聞いたことがありませんけど…。」
ジン 「そうだ。トッコ・ジンの過去の病のことはほとんど誰も知らないことだ。」
エジョン 「どこが悪かったんですか?」
ジン 「心臓が悪かったんだ。俺が、60から90の安全域にいなくてはならないと言ったのは、実は俺の心臓を護るためだったんだ。」
エジョン 「(疑わしそうに)本当ですか?」

ジンは徐にシャツの胸を広げます!
ハッと息を飲むエジョン…。

ジン 「俺の心臓は引き裂かれた、ハートブレイク!」
恐る恐る傷跡に手を伸ばすエジョン。
ジンは、その手を握り傷跡にしっかりと押しつけます。
慌てて手を引っ込めるエジョン…。


エジョン 「こんなことをどうして私に話すんですか?」
ジン 「お前の心に刻み込むためだ。俺は、お前の進む道につつじの花を撒くと話した。俺の心臓は、お前の前に撒かれたつつじの花なんだ。とっても痛いから、ほんのちょっとでもお前がそれに足を乗せたら、その花は死ぬはずだ。それでもお前はそれを踏みつけて行くのか?」

エジョン 「心臓が本当に悪いんですか?」
ジン 「そうだ。とても痛むんだ。だから、お前も堪えてくれ。」
エジョン 「何をですか?」
ジン 「あの男のところへ行くことだ。これを踏みつけて行くな。ハートブレイク…。」
困り果てるエジョン…。

そこにボールが転がってきます。
子供 「アジュシ、ボールをください。」
ジンは、いきなり華麗にボールをさばくと、そのままゴールにシュートを! そして、
「この辺でうろうろせずに、あっちへ行け!急いでボールを取りに行け! 走れ!」

得意げなジン…。

エジョン 「トッコ・ジンさん、今は元気なんじゃないですか?」
ヨロヨロとエジョンに近づくジン…。
エジョン 「そうだった!ファイターでも、トラックを追いかけて何キロも走っているのを見ました。それと、大ヒットした筋肉痛の薬のCFでも、腹筋をしてたのをテレビで見ましたよ。」
ジン 「そういうことは考えないて、ここに触ってくれ。ここ、ここだ!あ~あ、ハートブレイク…。」

ジンの体をあちこち突っつくエジョン。
ジン 「くすぐったい!!!」
エジョン 「つばきの花を持ち出すにしては、あなたの体は獣みたいじゃありませんか?」

ジン 「この体は、番組用なんだ。」
エジョン 「(ため息をついて)トッコ・ジンさん。私に罪悪感を感じさせてるために、古い手術の跡を利用して私を縛りつけようとしてるんですか?」
ジン 「そうじゃない。理解を求めているんだ。俺は病気なんだ、だからお前は俺を気遣う必要があるんだ。あの漢医者のところへ行こうと思った時には、いつも病気で倒れるかもしれない俺のことを考えるんだ。そうすればお前は心が痛んで、絶対に行けないはずだ。お前は、俺のようなひどい奴とやっていける優しい女だ、ク・エジョン。お前は本当に心の優しい女だから…。」

大きくため息をつくエジョン…。


--------* テレビ局喫茶室

PD 「とにかく、お前のお陰で、人生で最高の視聴率を取れるかもしれん。編集室も人で一杯だ。」
ピルジュ 「すみません、ヒョン。」
PD 「謝るなら、来週も俺のために撮らなきゃいけない。お前のプロポーズとク・エジョンさんの返事、これで視聴者をもっと取り込める。」
ピルジュ 「僕は大丈夫ですが、ク・エジョンさんはどうかわかりませんよ。」
PD 「ク・エジョンさんはオーケーするに決まってるだろ。違うか?」

ピルジュは、エジョンの言葉を思い出します。

<控室の回想シーン>----------------

   エジョン 「ユン・ピルジュさんがバラをくれなかったとしても、私は理解できました。
   1本もらっただけで感謝しているのに、一度に3本ももらったら、私どうすればいいのか…。」
   ピルジュ 「実は、僕もどうしていいかわからないんです。こんなことをしたのは初めてなので…。
   ひょっとして、ここで僕は断られるんですか?」

   大きなため息をつくエジョン…。ピルジュも肩を落とします。

   エジョン 「私に時間をください。」
   ピルジュ 「(嬉しそうに)どれくらい時間を差し上げればいいですか?」

   エジョン 「まるで借金の返済を待ってもらうような言い方は止めましょう。え~と…。
   時間を延ばすと気持ちにも利息がかかるのかしら…。
   じゃ、3日、無利子、月賦じゃなくて一括払いで!」
---------------------------

ピルジュ 「ヒョン!時間を少しもらえますか?」
PD 「わかった、考えておいてくれ。でも、俺達は本当に崖っぷちなんだ。何かあれば、番組はおしまいだ。お前も責任を感じるぞ。」
そう言って、PDは席を立ちます。

ピルジュ 「(大きなため息)僕も崖っぷちだ!彼女にもそれをアピールするべきなのか?」

そこにセリがやって来ます。

セリ 「私がこの前、正式に破局すると話したでしょ?あれ…、私とトッコ・ジンとの間にある人がいるからなの。その人、エジョンオンニなのよ。」
表情を変えないピルジュ…。
セリ「驚かないの?」
ピルジュ 「もう知ってますよ。」
セリ 「それを知ってて、3本もバラを渡したの?」

ピルジュ 「僕は、ク・エジョンさんの揺れている気持ちを捉まえたかったんです。一生懸命頑張っているク・エジョンさんを、セリさんには邪魔をしたり辛い思いをさせないでいただきたいんです。」


--------* エジョン、ジン、ピルジュ :それぞれの夜

携帯で 「つつじの花」の詩を読むエジョン…。

       
       わたしの顔を見るのも嫌だと 去っていくおつもりなら
       なにも言わずに あなたをそのまま行かせましょう

       寧邊(ヨンピョン)の薬山のつつじの花を 
       山ほど摘みんできて あなたのその足元に撒き散らしましょう

       あなたの道筋に撒かれたつつじの花を 一足ごとに
       そっと踏みしめながら わたしの許から去ってくださいい

       わたしの顔を見るのも嫌だと 去っていくおつもりなら
       何があろうと 涙を見せたりいたしません

エジョン 「この詩は去って行く恋人を見送る詩だと思うけど、死んでもあなたを行かせませんと言ってる…?」


--------* カップルメイキング放送日

皆ドキドキしながら番組を見つめます!


エジョンがバラを3本受け取ったことで、エジョンの家族の頭に浮かぶいろいろな思い…!



--------* カップルメイキング制作部

PD 「最高の視聴率を取ったお陰で、謝礼が出た。それと、ユン・ピルジュとク・エジョンを下ろす代わりに、二人のコーナーを作って、どこまで進むか見て行くんだ。」
作家 「二人のコーナーを作るの?二人がそれをやると思う?」


--------* ジンの事務所


ムン代表 「やるべきよ。エジョンさん、単独のコーナーは初めてでしょ?」
エジョン 「はい。」
ムン代表 「ク・エジョンさんの非好感のイメージから抜け出すチャンスよ。完璧な男性がク・エジョンさんを選んだのよ。それを見ていれば、人はク・エジョンさんが彼を好きにさせた何か特別な魅力があると思うわ。」
エジョン 「もし番組でうまく付き合えば、私が好かれるかもしれないんですか?」
ムン代表 「見ててごらんなさい。ユン・ピルジュさんの近くにいれば、すぐに好かれるようになるわ。あっ、それから、ユン・ピルジュさんと実際に付き合えばいいのよ。会社も応援するわ。」


--------* ピルジュの病院

エジョンの記事を読みながら、指を鳴らすジャチョル。
「こうなったからには、自分の正体を明かさなくちゃならないな。だが、隠していたことをどう説明するんだ?」

そこにピルジュ母が現れます。

ジャチョル 「これは、ユン先生のお母さん!記事を見たんですね。」
P母 「カン・セリさんのお父様も見たでしょう?」
ジャチョル 「はい、信じられませんが、二人は本当にお似合いですよ。」
P母 「二人がお似合いだなんて、一体誰が言ってるの?こっちはク・エジョン、こっちはユ院長よ。全然似合ってないじゃないの。」
ジャチョル 「えっ?好きだから捉まえたんじゃないですか。」
P母 「誰が…。ク・エジョンが、純情なユン先生の優しさにつけ込んだのよ。乞食のように薄汚い女だわ。」
と、新聞を床にたたきつけるピルジュ母。


その態度に怒りが爆発するジャチョル!

ジャチョル 「おぉ…。私が黙ってると思ってるのか?」
P母 「カン・セリさんのお父さん!」
ジャチョル 「私はカン・セリの父親じゃありませんよ。ここ、ここ、ここ!ク・エジョンの父親です!」
P母 「何ですって?ク・エジョンの父親?」
ジャチョル 「その通りです!人の大事な娘にあんなことを言うなんて一体何のつもりですか?あなたの息子は、そんなに偉いんですか?」
P母 「そんなに娘が大事なら、どうしてカン・セリの父親だなんて詐欺を働いたの?」
ジャチョル 「詐欺?たかが薬と牛肉くらいで、何が詐欺なんですか?」
P母 「もちろん詐欺よ!あなたも娘も本当に薄汚い、そっくりだわ!」
ジャチョル 「よし、食べた物を全部吐き出して、あなたの息子を絶対受け入れないよう娘に話します。」
P母 「頼むからそうしてください!


--------* ジンの自宅

カップルメイキングを見るジン…。


そこにジェソクが!

ジェソク 「あっ、カップルメイキング、またやってるんですね。本放送や再放送、あちこちでやってますよ。」
ジン 「本放送、再放送、ケーブルだの…。人口の半分以上が、ク・エジョンを見てるんじゃないか?」
ジェソク 「そうですね。それで、カップルメイキングの制作部では、二人のためにコーナーを作るんです。つまり、リアルデートショー!?!今すごい人気ですから、それが放送されたら、視聴率はすごいでしょうね。」

ジン 「こいつ…。」
ジェソク 「最初のデートはかなり注目されるはずです…。」
ジン 「最初のデート?」

ジェソク 「公然とデートすれば、カップルメイキングの番組より、ずっと愛情が深まって、お互い愛し合うようになるでしょう?」
ジェソクの言葉に、頭の中で妄想を膨らませるジン…。

ジェソク 「初めての旅行に行くかもしれませんね。そして、旅行のハイライト、二人の初めての夜!!!」

ジンは、テレビを消します。
ジン 「あの番組でどうしてそんなことができるんだ。そんなことをしたら、告訴するぞ!」
ジェソク 「実際にそんなことがあっても、放送はされませんよ。あぁ、がっかりだな。」
ミシルのテーマ^^と共に、ジェソクを睨みつけるジン…。

「あぁ、お腹が痛い…。」と席を立つジェソク…。
ジンの心拍数は、また上がってしまします。


--------* エジョンを尾行するジン…。

エファン 「ムン代表の言ったように、お前のイメージは前よりずっとよくなった。それより、ユン・ピルジュは控えめな男だと思っていたが、どうして急に積極的になったんだろうな…。」

エジョンは、ピルジュの言葉を思い出します。
「彼に心を揺さぶられているあなたを捉まえるために、前に出る必要があると感じたんです。」

エジョン 「私がそんなに揺れているように見えたのかしら…。」

二人をあとをつけるジン…。


エファン 「今日、ユン・ピルジュさんと番組のことを話し合うんだろう?」
エジョン 「ええ…。」
エファン 「漢医院の前で下ろしてやろうか?」
エジョン 「いいえ、後で電話をくれると言ってたわ。」
エファン 「俺も行こうか?そのほうがいいだろ? いや、二人だけの方がいいな。早く会いに行け!」
エジョン 「早く会って話した方がいいの?」
と何故か後ろを振り返るエジョン…。

ジン 「つつじの花を撒いても、どうやらク・エジョンはそれを踏みつけにするつもりのようだ。」


--------* ピルジュの病院

看護師と話している最中に、コーヒーをこぼしてしまうピルジュ…。
ピルジュ 「申し訳ない。また失敗してしまった。」
インジョン 「先生、今日はずっとどうしたんですか?」
ピルジュ 「今日は緊張が続いて…。」

インジョン 「先生、冷や汗が出ていますよ。こんな先生を見るのは初めてです。」
ピルジュ 「僕も、こんなふうになるのは初めてですよ。」


--------* ジンの事務所

ヨロヨロと事務所に入って来たジンは、エジョンの姿ににっこり!


エジョン 「トッコ・ジンさん、いらしたんですか?」
ジン 「お前はそこで何をしているんだ?」
エジョン 「トッコ・ジンさんが寄付した運動靴に、サインをして欲しいと言われたので…。」
ジン 「俺のサインが必要なだけで、お前がサインする必要はないだろ。」
エジョン 「そうなんですか?それじゃ、帰らなくちゃ…。」
ジン 「いや、いや…。1,000人に一人くらい、ク・エジョンのサインが欲しいかもしれない。どこへも行かずに、とにかくサインを続けてくれ。」
エジョン 「はい。」

嬉しそうにエジョンの隣に座るジン…。

ジン 「ク・エジョン、番組を見たが、プロらしくてよかったぞ。」
エジョン 「何がですか?」
ジン 「花を全部受け取っても、興奮せず落ち着いていた。あれはすばらしかった。これぞプロだ!イェーイ!!」

エジョン 「そう見えました?緊張していたのに…。あれを測っていたら、120を超えていましたよ。」
ジン 「もし120だったら、胃の中がひっくり返ったように、心臓がドキドキしていたはずだ。あいつは、ペンのことで嘘をついたから悪いと思ったんだ。」
エジョン 「そうでしょうね。でも嘘をついたと言った時の彼は、真剣でした。」

「あれは捨てるべきだった。」と呟き、サインを始めるジン。

エジョン 「わぁ、たくさんサインをしてきただけあって、とっても速いんですね。これならすぐ終わるわ。」
ジンは、いきなりサインのスピードを落とします。」

それを見て、微笑むエジョン。
ジン 「何だ?ファンに俺の感謝を表すんだ。力を込めてゆっくりとやらなきゃいけないんだ。」

笑いをかみ殺すエジョン…。


--------* ジェニーの店

ジェニー 「見て!エジョンの検索ランキングが上がってるわ!番組に出て、ユン・ピルジュさんをゲットして…。これは、大当たりじゃないの?」
ジェソク 「二人の凄い男に追いかけられるなんて、どうしていいかわからなくなっていると思いますよ。」
ジェニー 「まだこの業界にいたら、私にもこういうことが起きたのかしら…。」
エファン 「ジェニー、もしお前だったら、どうする? もし二人の男が向かってきたら…。」
ジェニー 「そうねぇ…、両方捉まえるわ! アン!」

ジェソク・エファン 「悪い女!」

そこにセリが…。
ジェニー 「あっ、どうして彼女がここに?」


セリ 「本当に久しぶりね、ジェニーオンニ。」
ジェニー 「ここに何の用なの?」
セリ 「エジョンオンニがいるかと思って…。」
ジェニー 「エジョンはいないわ。」
セリ 「あぁ、トッコ・ジンに会いに行ったのね…。」


--------* ジンの事務所

サインを続けるエジョンとジン…。
ジンはふとエジョンのサインに目を止めます。
ジン 「それはなんだ?」
エジョン 「四つ葉のクローバーです。運動靴を受け取った人が幸せになるように…。」
ジン 「子供じみたことを…。箱に金でも入れたほうがいいだろう。」


エジョン 「デビューした日に、メンバーのミナが四つ葉のクローバーを見つけたんです。それを見つけた後、私達は大ヒットしました。だから、四つ葉のクローバーは本当に幸せを運んでくるんです。。」
ジン 「結局4人は解散したわけだが、どうしてあんなに嫌われるようになったんだ?」
エジョン 「言われているとおりです。私がセリを叩いたから嫌われたんでしょう。」
ジン 「本当に叩いたのか?」
エジョン 「はい。腹が立って、手がこんなふうに…。」
ジン 「それなら、人がいないときに叩くべきだったんだ。」
エジョン 「セリを見るたびに、あのときのことを思い出して、恥ずかしくて落ち着かないんです。」


--------* ジェニーの店

ジェニー 「トッコ・ジンは、エジョンが好きなのよ。エジョンは何とも思っていないわ。そして、エジョンはユン・ピルジュさんとちゃんとうまくやっていくはず。トッコ・ジンと別れたりして、エジョンの邪魔しないで。」
セリ 「どうして? 私がトッコ・ジンとの破局を発表するときには、エジョンオンニのせいだと言うわ。」
ジェニー 「あなたって、本当に最低ね。エジョンがあなたのことをどれだけ気にかけていたか、覚えてないの?」
セリ 「私、エジョンオンニに叩かれたことしか覚えてないわ。」
ジェニー 「なぜ彼女があんなことしたと思ってるの?自分がミナにしたことを覚えてないの?ミナが倒れたのは、あなたのせいだったのよ。だから、エジョンが怒ったんじゃないの。」
セリ 「何の証拠もないし証人もいないのに、どうしてそんな昔のことを?」
ジェニー 「それじゃ、もしハン・ミナが出てきて、すべてを話したら…?」



--------* ピルジュの病院

ミナを診察していたピルジュは、エジョンが彼女を避けていたことを思い出します。

ピルジュ 「あっ…。」
ミナ 「はい、そうです。実はもうこの病院には戻らないつもりでした。先生が出演したテレビを見て、お会いしない方がいいと…。でも記事を見て、一度先生に会わなければいけないと思ったんです。エジョンオンニにとって大切な方だと思ったから…。」
ピルジュ 「ク・エジョンさんのためにいらしたんですか?」
ミナ 「はい。私の昔の名前は、ハン・ミナでした。エジョンオンニと一緒に活動していた国宝少女の妹です。」

--------* ジェニーの店

ジェニーは、ミナから送られたCDを出します。

ジェニー 「これ、ミナが送ってくれたと思わない?」
セリ 「彼女は身を隠しているわ。」
ジェニー 「たとえそうだとしても、あなたがエジョンを脅かしたら、彼女が出てくるとは思わないの?」

<回想シーン>--------------------
     
     飲み物に何か薬を入れるセリ。彼女はそれをエジョンに渡します。
     そこにミナが…。
     ミナ 「なんか、胃の調子がおかしいの…。」
     エジョン 「消化不良かしら。これを飲んでみて!」
     飲んだ途端、倒れるミナ…。
     ミナ 「お腹が痛い!」

     エジョンに問い詰められたセリ…。
     セリ 「ただふざけただけじゃあに。私が何をしたって言うの?」
     セリの頬を叩くエジョン…。
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ジェニー 「全部あなたがやったこと…。でも、エジョンは黙ってすべての責任を取ったわ。あなたは、エジョンがしてくれたことに本当に感謝しなくちゃいけないのよ。何かおかしなことをしたら、私がハン・ミナを探し出して、全部話させるわ。」
セリ 「私、ミナが具合が悪いなんて知らなかったし、エジョンオンニがすべてを被って解散するとは思わなかったのよ。」


--------* ジンの事務所



エジョン 「考えてみると、セリと私の間には誤解があったんだと思います。女性同志でいつも一緒にいると、いつのまにか親しくなって、秘密も生まれてきます。でもそれを話すわけにはいかないから、誤解だけがどんどん大きくなっていくんです。」
ジン 「どんな秘密だ?どんな秘密なんだよ。」
エジョン 「話せません、秘密だから…。」
ジン 「話したいことを話さないなんて馬鹿げてる。だから人に責められるんじゃないのか?。」
エジョン 「あのとき、自分がすべての責任を取れると思ったんです。それが、こんなにも重くのしかかり、10年も辛い目に遭うなんて思いもしなかったんです。」

ジン 「そんな目に遭いながら、10年もそれに耐えて来たことは、実に素晴らしいことだ。」
エジョン 「今、私を誉めたんですか?その口で?」
ジン 「俺がお前を好きになることを恐れているかと聞いたが、今それがわかった。怖かったんだ。そんな恐ろしい状況を耐え抜くお前のことが、ずっと心配だった。だからもう一度お前を振り返った。」
エジョン 「私が哀れだから…?」
ジン 「違う、同情じゃない。何だ、どう言えばいいんだ…?」
エジョン 「共感?」
ジン 「ディンドン!
優しく笑い合う二人…(^^)


エジョン 「暑くなってきたわ。」
と、エジョンはジンの飲み物を頬にあてます。
エジョン 「あぁ、気持ちいいわ!」
ジン 「写真のほうが冷たいんだ。もっと強く…。」


ジンの事務所にやって来たセリは、ジンの声に部屋を覗きます。

セリ 「エジョンオンニの気持ちが彼に向いているなら、トッコ・ジンは…・
 私は彼にしがみついて、絶対に離さないわ。ユン・ピルジュも無駄なことをしているわね…。」」

セリは、ムン代表のところへ!

セリ 「トッコ・ジンとの関係は、終わらせる訳にはいきません。私達のプログラムは、エジョンオンニのせいで滅茶苦茶なんです。こんな状況で、破局なんて言えますか?絶対できないわ。私達、契約書があるでしょう。私、記者を呼んで、そこで泣きますよ!」


--------* ピルジュの病院

ミナ 「エジョンオンニは、恩人なんです。よくしてあげてください。」
ピルジュ 「はい。私はそうしたいと思っています。」
ミナ 「エジョンオンニの好きなものを教えましょうか?」


--------* ジンの事務所

サインを続けていたエジョンとジン…。
ジン 「ク・エジョン、手が痛くなったら、ゆっくりやればいいんだ。一晩かかってもいいんだから…。」

そのとき、エジョンの携帯に電話が。聞き耳を立てるジン…。
エジョンは、 「もしもし! はい…。はい…、はい…。」とだけ返事をして電話を切ります。

「はいを3回か…。」と、勝手に会話を想像するジン…。


<エジョンとピルジュの電話…ジンの妄想シーン>
  ピルジュ 「どうして来られないんですか?トッコ・ジンがそう言ったんですか?」
  エジョン 「はい…。」
  ピルジュ 「彼があなたを引き止めようとしているんですか?」
  エジョン 「はい!」
  ピルジュ 「あぁ、まったく…。彼なんか放っておいて、すぐ来てください。待ってますからね」
  エジョン 「はい!」

時計を見つめるエジョン…。

ジン 「ク・エジョン、今から俺が聞くことには、とにかく”はい!”と3回答えろ。」
エジョン 「はい。」
ジン 「俺の心臓は、つつじのようなものだと言ったな?」
エジョン 「はい。」
ジン 「それを踏みつけて行くなといったな?」
エジョン 「はい。」
ジン 「だが今、お前はそれを踏んで立っているんだ。急いでいるなら、さっさと行け。俺もそのほうかいい。」
エジョン 「はい…。」

<エジョンとピルジュの本当の電話…回想シーン>
  ピルジュ 「今忙しいですか?」
  エジョン 「はい…。」
  ピルジュ 「それじゃ、遅くなりますね。」
  エジョン 「はい…。」
  ピルジュ 「着いたら電話してください。。」
  エジョン 「はい…!」

エジョンはそのまま出て行きます。



--------* エジョンの家の前

ピルジュは、エジョンの帰りを待ちながら、ミナの言葉を思い出します。
その横には、四つ葉のクローバーの形のパンが…。

<回想シーン>

   ミナ 「私達が生きていたところで、クローバーの形をしたあんパンが売られていました。
   エジョンオンニは、それがとても好きで、よく買ってきては皆で分け合って食べていたんですよ。
   幸運を分け合おうと言って…。先生、それを彼女と一緒に食べてください。」

ピルジュ 「分け合ったところで、彼女に気に入られるはずはないんだ。」


--------* ジンの事務所

ぼんやりとサインを見つめるジン…。


--------* エジョンの家の前

ピルジュ 「今帰る途中ですか?」
エジョン 「ユン・ピルジュさん、私今家の前なんです。ジェニーのレストランで、会いませんか?」

ピルジュ 「(車を降りながら)はい、待っていました。」


--------* ジェニーの店

ピルジュ 「このパンはとても美味しいそうで、今日病院で貰ったんです。」
エジョン 「私が本当に好きなパンなんです。あそこのものだわ!」
ピルジュ 「そうなんですか?」
エジョン 「はい。国宝少女にいたとき、宿舎のまん前にあったんです。ここからはかなり遠いから、久しぶりだわ。本当に美味しそうだわ…。」
ピルジュ 「喜んでいただけて、ホッとしました。食べてください。」


パンを差し出すピルジュ…。
エジョン 「あっ、これは分け合って食べるものなんです。クローバーの形をしてるでしょ!ひとりで幸運を全部食べるわけにはいきません。」

エジョンはパンを半分にわけ、 「食べてください。」とピルジュに渡します。
ピルジュ 「それじゃ、今日は僕にもいいことがあるんですね?あなたが幸運だから…。」
エジョン 「私のことを幸運と考えてくださってありがとうございます。ユン・ピルジュさんも、私の幸運なんです。ただ、今私の中には、桜と椿の花が咲いていて、そこにつつじの花まで撒かれているので、四つ葉のクローバーを見つけられないんです。」
ピルジュ 「それはそうです。簡単に見つかるようなものは、面白くありません。それでどうして女性の心が掴めるでしょうか。でもパンの中では、これが最高です。」


エジョン 「私の心は、狂った花で埋め尽くされているんです。でも、時間が経てば、これが最高だとわかりますよね?」
ピルジュ 「ク・エジョンさん、僕達が決めた約束の期限を延ばしませんか?今始めることがあまりにも難しいなら、番組から始めるのはどうですか?ク・エジョンさんは、仕事として番組を頑張り、僕は本気であなたの横にいる。僕は失うものがありません。待っていれば、このパンのように最高に変わるんですから。」


--------* ジン…

部屋でジャガイモを見つめるジン…。
「思ったよりずいぶん成長が早いな。毒が育つと、死ぬんじゃないか?」


立ち上がった途端、胸の痛みを感じるジン。彼はすぐに心拍計をチェックしますが、数字は75…。
「安全域を出ていないのに、どうしてこんなに痛むんだ?片想いも毒だ。これで死ぬことになるのか…?」

彼はすぐ病院へ行きます。

看護師 「チャン博士は、緊急手術中なんです。1、2時間お待ちいただくことになりますが…。」
ジン 「待ちます。」

医師の部屋で待っていたジンは、そこに国宝少女のCDを発見します。
ジン 「おぉ、国宝少女もあるのか…。」
そこに看護師が。
看護師 「博士は、緊急手術のためにヘリコプターで出発することになりました…。」

CDを投げだすジン。
看護師 「それを、博士は手術のときの緊張を鎮めるために聴いているんです。他の先生はクラシックなんですが、博士は少女グループを聴くんです。」
ジン 「(ハッとして)待て。それじゃ、心臓手術のとき、このドキドキの歌をかけたこともあるのか?」
看護師 「はい。最近はたまにですが、10年前、その歌がとても流行っていたときには、心臓手術のときにいつもかけていました。」
ジン 「10年前…、心臓手術…。」

病院の廊下を歩きながら呟くジン…。
「この歌が俺の心臓手術のときにかかっていたとしたら、すべての説明がつく。」

ジンは チャン医師を探して屋上へ!

ジン 「博士、10年前私の心臓手術をしたとき、この国宝少女の”ドキドキ”を聴いてましたか?」
医師 「何だと?私は今冗談につきあっている時間はないんだ。今から命を助けに行くところなんだ。」
ジン 「これは私の心臓にとってとても重要なことなんです。思い出して下さい。私の心臓手術のとき、”ドキドキ”を聴いていたんですか?」

記憶を辿る医師…。

<回想シーン>
    看護師 「先生、この歌ちょっとうるさくありませんか?」
    医師 「どうしてだ?いいじゃないか。心臓がドキドキと言っている。
     心臓手術を受ける患者には最高の歌じゃないか?」


医師 「そうだ!10年前の君の手術の最中、この歌がかかっていた。」
ジン 「確かですか?」
医師 「君の手術は、私の人生の中で最も記憶に残るものだったんだ。あの時のことは全部覚えている。」

ジン 「そうだったんだ…。そうだったんだ!」

ヘリコプターで出発する医師を見送るジン…。
ジン 「そうだ、俺は呪文にかかったんじゃなかったんだ。催眠にかかっていたんだ(?)。克服~!」
CDを放り投げるジン!



--------* テレビ局

エジョンとエファンは制作部へ。


PD 「ピルジュは、ク・エジョンさんが賛成したらやると言っている。
作家 「これが基本計画よ。あとは、ク・エジョンさんが決断するだけよ。」

局の廊下でエファンは計画書を読みます。

エファン 「これは、単なる小さなコーナーじゃないぞ。20分だぞ、20分!」
エジョン 「オッパ!これをやると、国中が私とユン・ピルジュさんのデートを見るわけでしょ?」
エファン 「そうさ…。エジョン、番組は番組だが、俺は、お前とユン・ピルジュが本当にうまくいって欲しいんだ。お前達二人がうまくやっているところを見せれば、トッコ・ジンも諦めるさ。」

そこにジェソクが!


エファン 「トッコ・ジンも一緒か?」
ジェソク 「いいえ。僕は、トッコヒョンのドキュメンタリーのことで来たんです。ヒョンニムは、具合が悪くて病院にいます。」
エファン 「病気?それなら、どうして一緒に行かなかったんだ?」
ジェソク 「ヒョンニムは、病院へはいつもひとりで行くんです。病気であることを知られたくないんですよ。」
エファン 「だいぶ悪いのか?」
ジェソク 「病気がどうなのかは、僕には教えてくれません。」
エジョン 「本当に病気なの?」

ジェソク 「トッコ・ヒョンニムは、本当に病院が嫌いなんです。それなのに行ったんですから、本当に病気だということでしょうね。」

エジョンは、ロビーでジンのことを考えます。
「本当に病気なのかしら?」


<回想シーン>-------------------
   エジョン 「心臓がそんなによくないの?」
   ジン 「ほんとうに悪いんだ。だから、我慢してくれ。」

   ジン 「俺の心臓はつつじだと話しただろう?それなのに、お前は今その上に立っている。
    そのままでいるよりは、行ったほうがいいだろう?だから、とにかく行け!」

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スニーカーを見つめるエジョン…。
「ク・エジョンの運動靴!お前は、あの人を踏みつけてそれで行けるの? あの人が具合が悪いのを心配してるでしょ? あの人に会いたいでしょ? ディンドン!



--------* ジンの家

エジョンはジンの家に!
エジョン 「まだ6090で開くかしら? どうしよう…。」

そこにジンが帰って来ます。 「ク・エジョン!」とニンマリするジン…。
ジンは彼女を家の中に。

エジョン 「病気の方は大丈夫ですか?」
ジン 「その前に、確認したいことがある。」

ジンは、携帯でエジョンの番号を呼び出します。エジョンの携帯から流れる”ドキドキ”の曲…。

ジンは、心拍計を見ますが、数字は75のまま…。


ジン 「どうやら正常に戻ったようだ。ほら、60と90の間のままだろ?」
エジョン 「そうですね。それじゃ、もう大丈夫なんですね?」
ジン 「そうだ。お前を喜ばせることがある。」
エジョン 「何ですか?」
ジン 「ク・エジョン。俺の心臓は、もうお前のせいでドキドキしないんだ。」
エジョン 「どうしてですか?」
ジン 「もう、お前のせいで心が揺れ動くことはないと言ったんだ。」
エジョン 「どうしてですか?」
ジン 「この答えはたったひとつしかない。何だと思う?」


エジョン 「それじゃ、もう私を好きじゃないんですか?」
ジン 「ディンドン!」



第9話に続く!
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