最高の愛 第9話 あらすじ

  2011年6月1日放映

  英語字幕からの翻訳ですので、
  本来のシナリオとは違います。
   
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--------* ジンの部屋

ジン 「ク・エジョン。俺の心臓はもう、お前のせいでドキドキしないんだ。」
エジョン 「どうしてですか?」
ジン 「俺はもう、お前のせいでときめかないと言ったんだ。」
エジョン 「どうしてですか?」
ジン 「この答えはひとつしかない。何だと思う?」

エジョン 「それじゃ、もう私を好きじゃないんですか?」
ジン 「ディンドン!」

二人は座って話をします。

ジン 「10年前の手術のせいだったんだ。そのときの行動を思い出すと恥ずかしくて身を隠したいほとだが、回復~!俺は完全に回復したんだ。」
エジョン 「本当に何ともないんですか?」
ジン 「そうだ。あの”ドキドキ”の歌せいだったとわかった瞬間、俺の心臓は催眠から覚めたんだ。」
エジョン 「本当かどうか自分で確かめます…。」

エジョンは、ジンの胸に自分の顔を押しつけます。
エジョン 「じっとしててください!」


エジョン 「ドキドキ鳴ってますよ!」
ジン 「そうでなかったら死んでるだろ。ドキドキドッキドキ~。正常なペースじゃないか。この前のような高速じゃないだろ。」
エジョン 「まだ速く動いているようですけど…。」
ジン 「だから離れたほうがいいんだ。心臓が正常に戻ったのに、こんなふうにされるとまたおかしくさせてしまう。…、何だ、ク・エジョン。今お前がっかりしているのか?俺の心臓が、もう速く動かないで、ドキドキと普通に動くことでがっかりしてるな。」

ジンの胸を叩くエジョン…。

エジョン 「私はつつじの花が心配で来たんです。元気そうで安心しました。」
ジン 「(独り言)お前の手の力は、本当にすごいな。」

エジョン 「でも、手術中に聴いただけの歌を、10年後にまた聴いて心臓が反応するなんて、医学的にあり得るんですか?おかしくないですか?」
ジン 「おかしくはない、俺が惑わされただけだ。それで髭まで剃ってしまって…。不公平だ。」
エジョン 「そんなふうに感じさせてしまって、本当にごめんなさい。私が魔女であるよりは筋が通ってます。」
エジョンは部屋を出て行きます。


--------* チャン博士の診察室

博士 「おかしなことが起こるものだ。10年前の心臓手術中に聴いた歌で、心臓が惑わされた…? まったく…。でも10年間大丈夫だった心臓が、なぜ今になってこの歌で惑わされるんだ?」
看護師 「そうですよね。」

博士 「この歌は、死んでいた心臓がまたドキドキ動き始めたらと彼のためにかけたものだったんだが…。ひょっとして、あの心臓がまたこの歌を必要としているのか…。トッコ・ジンの最後の検査結果を見なくちゃならん。持ってきてくれ。」


--------* ピルジュの診察室

エジョン 「ちょっとおかしなことがあるんですけど…。ユン先生は医者だから、これが可能かどうかを教えてください。心臓が、理由は何であれ、ドキドキするんです。そんなとき、誰かを特別な人を見たら、その人を好きだと錯覚する可能性はありますか?」

ピルジュ 「つまり、鼓動が速いとき、それを愛だと錯覚させることができるかということですか?」
エジョン 「おかしいでしょう?錯覚なんかじゃありませんよね。」
ピルジュ 「あるかもしれませんよ。息が切れるほど走ったり、ローラーコースターに乗った後で、心拍数が上がっているときに異性に対面すると、その人を好きだという感情が、劇的に増加すると、医学書にありました。」
エジョン 「それじゃ、愛は錯覚もある得るんですか?」
ピルジュ 「心拍数を上昇させる要因があれば、可能だと思います。」

そこにエファンから電話が…。
ドキドキの着信音で、ジンの言葉を思い出すエジョン…。

エジョン 「何度も繰り返したから、錯覚したんだ…。不公平だわ。」


--------* ジンの事務所

ジン 「CFを続けていこう。もうおかしなことはしない。」
セリ 「そうよ、何か錯覚があったんでしょう?」

ジン 「どういうことだ?」
セリ 「あなたがク・エジョンに弱みを掴まれて、それを利用されてたんだと思ってたわ。」
ジン 「もうなくなった。俺も自分の弱みを掴まれるような人間だったことに驚いたが、そうではなかった。」
セリ 「それじゃ、トッコ・ジンがク・エジョンを好きだという噂も違うんでしょ?」
ジン 「誰だ?そんな噂を振りまく奴は誰だ?告訴してやる。お前か?」

廊下に出たジン…。

ジン 「周りの人間に目を光らせなかったのは迂闊だった。噂が広まる前に片づけなくては…。」
そのとき、ムン代表と話すジェソクの声が聞こえてきます。
立ち聞きするジン…。

ジェソク 「トッコヒョンニムが可哀想ですよ。エジョンヌナに完全に拒絶されたんです。」
ムン代表 「そんなこと言っちゃだめよ。それが誰でも、告訴されるわ。」

にんまりするジン!  「さすがムン代表だ。」

ジェソク 「トッコ・ヒョンニムも影響がありますよね?」
ムン代表 「そうだけど、私はちょっと楽しんでるわ。」
ジェソク 「代表もですか?」
ムン代表 「あの傲慢なトッコのご機嫌をとるたびに、怒りを感じていたわ。私なら当然でしょ…。」
ジェソク 「僕はもっとですよ。」
ムン代表 「うちのトッコは、自分は最高だと思って生きているわ。でも、その彼が女性に断られたの。ク・エジョンさん、(拍手しながら…)本当に素晴らしいわ。」


ジェソク 「トッコヒョンニムは知らないことですが、エジョンオンニの家族もヒョンニムのことを好きじゃないんです。」
ムン代表 「トッコといる私達が運がないのね。」
ジェソク 「よくなりますよ!」


--------* ジンの家

ジンはヒョギュを家に連れて来ます。


ジン 「さぁ、これからお前の家族について詳しく話してくれ。みんなは、俺のことをどう言ってるんだ?」
考え込むヒョンギュ…。
ジン 「おい、ディンドン!お前も7歳だ。他人のことに気にしないで自分の考えを言える年齢だろ。だから、とにかく話せ。大丈夫だ。」
ヒョンギュ 「トッコ・ジンは、トンコ…。」
ジン 「 「もういい!わかった。」
と、ヒョンギュの口を押さえるジン…。

ヒョンギュ 「アジュシ。僕の叔母ちゃんと、こんなふうにくっつきたいの?」
ヒョンギュは、磁石をジンの前に差し出します。
ジン 「そう思っていたが、今は違う。(磁石を半分取って)初めは強力な力で、お前の叔母ちゃんに引っ張られていると思っていたんだが、その力はもうなくなったんだ。もう磁力がなくなったから、ほら、くっつき合わないだろ。くっつくな…。」

ヒョンギュは、磁石をジンのペンダントに…。
ヒョンギュ 「くっついた!」
ジン 「俺はもうくっつかないんだ!」

テレビを見るヒョンギュ…。そこにエジョンが入って来ます。

エジョン 「ヒョンギュ!どうしてここでテレビを見てるの?来なさい。行くわよ!」
ヒョンギュ 「嫌だ。もっと見たいよ。」
エジョン 「ク・ヒョンギュ!ふざけてるの?行くわよ!」

そこにジンが…。
ジン 「ほっといてやれ!3Dの孫悟空?が目の前にいるんだ。離れられると思うか?こっちで話そう。」

ジンは、テーブルに磁石を並べます。

ジン 「これを見ろ。ここに噂がある。俺がお前を追いかけているが、お前は俺が嫌いだ。それで俺から逃げた。」
エジョン 「正しいわ。」
ジン 「…。だが、俺の状況は逆転した。俺は自分の道を行く。おや、ク・エジョンがくっついてる。」
エジョン 「おかしいんじゃない。逆を向いたのに、どうしてそれにくっついていくの?」


ジン 「ク・エジョン。お前、俺に惹かれているのか?」
エジョン 「誰が惹かれてるって言ったの?私は磁石のことを言ったんです。」
ジン 「磁石のように、俺が背を向けて自分の道を行くと言ったから、お前は俺に惹かれたんだろ?」
エジョン 「磁石と一緒にしないでください。」

ジンは、心拍計を外します。
ジン 「それなら、これをつけて確認してみるか?」
エジョン 「私がどうして?」
ジン 「俺もどうしてか知りたいんだ。だから調べてみよう。ほら、ほら。」
エジョン 「嫌です。」
ジン 「おぉ、付けたくないということは、本当に俺に惹かれてるんだな?惹かれた、惹かれた、ク・エジョンが惹かれた!惹かれた、惹かれた!」

慌てて席を立つエジョン…。
エジョン 「ヒョンギュ、行くわよ!」

それでも冷やかしながら、彼女のあとを追うジン…。
テーブルの上では、磁石の横の心拍計が異音を発し、一瞬ランプが消えてしまいます。

リビングに戻った二人…。
ジン 「悪いが、どうすることもできない。もう反転してしまったんだ。」
エジョン 「ヒョンギュ、起きなさい。行くわよ。」
ヒョンギュ 「まだ終わってないよ。」
ジン 「おい、ディンドン。それなら最後まで見るんだ。2巻も3巻も見ろ!」

そしてジンは、エジョンに投げキッスを!
ジン 「ク・エジョン、さようなら。これから俺は、60~90の安全域で平和に暮らして行く。恥ずべき片想いは、これからはク・エジョンのものだ!」
エジョン 「そんなに嬉しいの?」
ジン 「あぁ、すべての屈辱が消え去ったんだ。これで俺の自尊心も復活した。それを認めてから行け!」
またエジョンをからかうジン…。

エジョン 「どうすればいいの?私は絶対に認められないわ。ヒョンギュ、本当に行くわよ。早く来なさい!」

エジョンの剣幕に、ヒョンギュは慌てて磁石を持ってくると3Dメガネを外します。
出て行くエジョンとヒョンギュ…。
笑顔で見送るジン…。

ジンは、また心拍計を腕につけます。壊れているとは気づかずに…。
ジン 「ク・エジョンがあんなふうに出て行っても、それでも88だ。実に素晴らしい。だが、ク・エジョンは片想いだ、何と哀れなことか…。本当に申し訳ない~! 回復~、克服~、幸福~!」


--------* エジョンの部屋

一人磁石を動かすエジョン…。

くっついた磁石に、慌ててそれを投げ捨て悲しげに顔を伏せます。


--------* ピルジュの家

P母 「番組に出るのを最初は嫌がっていたじゃないの?私が悪かったわ。1年位、中国へ行って勉強してきたら?もう反対しないわ。」
ピルジュ 「何回聞いても答えは同じだよ。僕は行かない。」
P母 「ク・エジョンのためだなんて言わないでよ!それは絶対にダメ。」
ピルジュ 「本気で反対するところをみると、僕の本心がわかっているようだね。」

P母 「お前とク・エジョンの記事がなってから、本当に恥ずかしくて、友達にも会いに行けないわ。ゴルフにも行けないのよ。こんなことを続けてたら、のけ者になっちゃうわ。」
ピルジュ 「それなら、僕が遊んであげるよ。」

ピルジュ母は、エジョンの家に!

P母 「病院での情報が合ってれば、ク・エジョンの家はこの辺りのはずだわ。やくざの恋人にもらった家に住んでいると聞いたけど、中に入って何か証拠を見つけて、ピルジュに彼女を諦めさせなくちゃ…。」

「目的地に着きました!」というナビの声!
P母 「何よ。GPSはここだと言ってるわ。」

そこにジャチョルがゴミ捨てに出てきます。

ジャチョル 「おや、どうしてここにいるんですか?」
P母 「ここが、ク・エジョンの家なの?この家は、一家族用じゃないようだけど、どうしてク・エジョンが他人と暮らしているの?」
ジャチョル 「ここで、我々は7年間家族として暮らしているんです。それに、我々はお互いに見知らぬ人として接したことはありません。」

P母 「これはまずいわ。秘密がある女の方が追い払いやすいのに…。一番難しいのが、貧しい女よ。」
ため息をつくピルジュ母。


--------* ジンの事務所

ジン 「今までに私がしたことはすべて、私の心臓手術のせいで起きたことなんだ。二人ともわかるな?だから、絶対に誤解するな。」
ムン代表 「そんなことがあるのね。」
ジェソク 「エジョンヌナは振り回されただけなんですね。」
ジン 「今までに起こったことのすべてを正さなければならないんだ。カン・セリとのCF契約を今までどおりやるぞ。」
ムン代表 「グッド!よかったわ。戻って来てくれてありがとう、トッコ・ジン。」
ジン 「それと、運動靴の寄付のイベントは、ク・エジョンにやるように言ってくれ。」
ムン代表 「なぜなの?あなたがやればいいじゃない。」
ジン 「ジェソクが言ったように、俺はク・エジョンの気持ちを振り回したんだ。彼女への償いだと思ってくれ。寄付活動は、彼女の非好感のイメージもなくす助けになるだろう。」
ムン代表 「わかった、そうするわ。でも、彼女の非好感イメージのことだけど、ユン・ピルジュとつるんでいればよくなるはずよ。だから、トッコは心配しなくていいわ。」
ジン 「わかった。あの漢医師にも彼女と一緒に行くように言ってくれ。」

ジンの言葉に、驚いて顔を見合わせるジェソクとムン代表。

ジン 「それから、しばらくあのバンは必要ないから、ク・エジョンに使うように言ってくれ。」
ジェソク 「それだと、あの漢医先生とのデートに使うかも知れませんよ。」
ジン 「いいじゃないか。安っぽく見られるわけにはいかないだろう。必要なら、一緒にバンに乗ってもいいぞ。」


--------* テレビ局

エファン 「うちのエジョンには、ユン・ピルジュとのリアルデートコーナーを一生懸命やらせます。」
PD 「よろしくな。ク・エジョンさんにとっては最高のチャンスだ。」
作家 「ユン・ピルジュさんには、これを承諾したことをまだ言わないで。本当に驚いてもらわないと…。」
エファン 「はい…。(涙)」
作家 「あら!ク室長、泣いてるの?
エファン 「うちのエジョンは、10年間で初めて本当のチャンスを得たんです。この10年間、悪く言われ続けて、この愚かな兄は、マネージャーとして彼女に何もしてあげられませんでした。マネージャーとして、この番組は本当に重要なんですが、エジョンの兄として、あの優しいエジョンをどうかよろしくお願いします。」
貰い泣きするPD…。



エファンを待っていたジェニー。
ジェニー 「泣くのは止めなさいよ。男がそんなに泣いて…。トゥク、トゥク!」
エファン 「俺は長くエジョンのマネージャーをしてきたが、テレビ局でこんなに気分がいいのは初めてだ。」
ジェニー 「久しぶりのテレビ局で、私もとっても気分がいいわ。これからは、私がエジョンに付こうか?セリとか、誰かが見張ってないと…。」
エファン 「そうか?それじゃ、結婚したら、役割をチェンジして。俺がレストランを見るか?」
ジェニーは、頬を膨らませ横を向きます!

そこにジェソクが、 「絶対だめです!ヌナは、僕が面倒見ます。」と…!

エファン 「何だと?どうして割り込んでくるんだ?何しに来たんだ?」
ジェソク 「トッコヒョンニムのスペシャルのことで来たんです。」
ジェニー 「エジョンは、アルバムを出して、バラエティに出て、これで演技をしたら、トリプルクラウンね。」
と二人の腕を取るジェニー。
エファン 「エジョンは、イ・スンギじゃないんだぞ。」

ジェニー 「あっ、本物のイ・スンギじゃない?」

すぐに、イ・スンギのところに駈け寄るジェニー!

ジェニー 「こんにちは!私、イ・スンギさんのホントに大ファンなんです!握手してください。」
握手をしてにこやかに立ち去ろうとするイ・スンギ…。
エファン 「あ、ちょっと待って!イ・スンギさんも同じスカーフしてるんですね。」
ジェニー 「私と全く同じよ!」



慌ててスカーフを隠し、 「はい、ありがとうございます。」と立ち去るイ・スンギ。。
背を向けた途端、彼は険しい表情を。
しかし、振り返ると再び満面の笑み……。



ジェニー 「本当に礼儀正しくて優しいわぁ~!イメージどおりね。」
エファン 「トップスターなのに、ちゃんと挨拶するし…。」
ジェソク 「僕がトッコヒョンニムに最初に会ったとき、彼もあんなふうに優しいと思ったんですけど、僕は騙されたんです(涙…)。」

そんな彼を無視するエファンとジェニー…。

エレベータの前で、スカーフを外したイ・スンギは、それをスタイリストの前に突き出します。
イ・スンギ 「これは、犬でも誰でも身につけられるものなのか?」
スタイリスト 「限定品です。」
イ・スンギ 「その辺の誰かも身に着けていたじゃないか。これはだめだ。」

と、スカーフを投げ捨て仁王立ちのイ・スンギ…。


そこにトッコ・ジンが現れます。
即座に 「先輩!」と深々と頭を下げるイ・スンギ!

ジン 「あぁ…、スンギ!お前がMCをやっている”鋼鉄心臓(강철심장)”、一度うちの会社のク・エジョンを出してくれないか。」
イ・スンギ 「ゲストの出演は、作家と監督が決めることなので、私にはそんな力は…。」
ジン 「わかっているくせにどうしてそんなことを言うんだ。お前が一言言えば、すぐ実現するだろう。お前はまだそのレベルまで行ってないのか?」



イ・スンギ 「先輩がそうおっしゃるのでしたら、必ず伝えておきます。ですが、僕がそこまでしなければならないほど、それは重要なことなんですか?」
ジン 「お前がそうしてくれたら、俺はお前の冷蔵庫のCFには手を出さない。」
イ・スンギ 「冷蔵庫ですか…? 僕はイ・スンギです。たとえ先輩であろうと、僕は自分のCFを他人に奪われるような種類の人間じゃありません。ここまで自分のCFを必死で守ってきたし、これからもそうするつもりです。僕の安全地帯に踏み込んでこないでください。」
ジン 「わかった。強心臓に行って、ク・エジョンのことを話さないなら、俺が、冷蔵庫の…。」
イ・スンギ 「だめです!!」
睨みあう二人…。

※ カメオ出演イ・スンギくん、頑張ってくれました(^^)


そこに 「きゃ~、トッコ・ジンよ!」と、ファンの声が…。
「1、2、3!」と、ジンの合図で揃って笑顔を作るジンとイ・スンギ!



イ・スンギ 「それじゃそうしましょう。」
ジン 「俺達は、本当に好かれているな。」
呆れ顔のジェソク…。


--------* 買い物をするピルジュ

書店で本を見ていたピルジュは、恋愛心理のコーナーで足を止めます。
「これを勉強したら、役に立つのか?」
そのまま床に座って本を読みだすピルジュ…。

「何かを一緒にしたければ、贈り物でそれを表現しましょう…。贈り物か…。」

ピルジュは歩きながら考えます。
「一緒に何をしたらいいのかがわからないな。」
そう言って水着を見つめ、慌ててその場を離れるピルジュ…。

今度は、カメラ売り場に…。
「一緒に写真を撮ったら、喜ぶかな?」

店員 「あなたのガールフレンドは喜びますよ。顔が小さく明るく写るんです。」
ピルジュ 「その機能は必要ないな…。彼女の顔は既にとても明るいんですよ。」


--------* エジョンの家

エファン 「強心臓に、他のイベント、好きなようにバンを使わせる、そうトッコ・ジンが言ったのか?」
ジェニー 「トッコ・ジンらしくないわ。どうして急に変わったの?幽霊にとりつかれたみたい…。」
エジョン 「これが、トンコ・ジンの性格なのよ。」
エファン 「俺が行って、話して来ようか?」
エジョン 「いっても何も言えないじゃない。」
ジェニー 「それじゃ、私が行ってお説教して来ようか?」
エジョン 「悪いことになるだけよ。オンニ、そんなことしたら本当に告訴されるわよ。」
ジェニー 「それじゃどうするのよ。」

エジョン 「私が話して来るわ。そして何が望みか聞いてやるわよ。もう、本当に鬱陶しいわ…。」
ポロロの嘘探知機をエジョンに向けるヒョンギュ…。
嘘探知機は、”嘘だ。嘘をついちゃだめだよ!”と。
それを取り上げるエジョン
「何でこうなの?…。電池がないの?声もおかしいし…。もうこんなもので遊んじゃダメよ!もう…」


--------* 病院

ジン 「僕は正常に戻りました。もう60~90を超えることはないんです。ほら見てください。88ですよ!」

博士 「君の心臓手術の後、私は合併症を心配していた。何もなくてホッとしている。ただいくつかの兆候が出たんだから、精密検査を受けた方がいい。」
ジン 「いいえ、その必要はありません。すべて催眠によるものだったのです。」
博士 「催眠のせいで心拍数の問題が起きたというのは、間違いないのか?」
ジン 「もちろんです。」
博士 「心臓が速く打つから誰かを好きになった、あるいは、誰かを好きになったから、心音が速くなった。どちらが正しいかはっきりわかるか?」


--------* ジンの家

いつものビタミンウォーターを飲むジン…。
しかし突然、自分の写真がエジョンに見えてビックリ!

が、腕の心拍計は、87…。

2階に上がるジン…。

ジン 「病院なんかに行くんじゃなかった。おかげで気分が乱れている。さぁ、マインドコントロールタイム!」
と、目を瞑り、”ドキドキ”を口ずさみ始めるジン…。

ジン 「(驚いて…)何だこれは? こんな歌を歌ってしまうとは…。」
自分の口をつねるジン…。

そこに、エジョンがやって来ます!

ジン 「どうした?」
エジョン 「トッコ・ジンさんこそどうしたの? 心臓がまたおかしくなって、私をまた好きになった…。ディンドン、そういうことなんですか?」
ジン 「ク・エジョンは悔しいかもしれないが、そうじゃない。」
エジョン 「それじゃ、何なんですか?」
ジン 「気まずさと感謝、そういうことだ。」
エジョン 「何に?」
ジン 「お前を追いかけ回したことが気まずいことで、俺が拒絶されたことが感謝だ。だが、お前が遅れて俺に惹かれてしまったことは悪いと思ったから、そうしたんだ。チジラのトンコ・ジンが捨てられた瞬間、強力なトッコ・ジンが蘇ったんだ。だから、負担を感じるな。」
エジョン 「そうなんですか?トッコ・ジンさんは、本当にすごいんですね。」
と背を向けるエジョンですが…。



エジョン 「ちょっと待ってください。」
ジン 「今度はどうした?」
エジョン 「悔しくて、惹かれているから行けません。トッコ・ジンさんが言ったことは正しいです。私を好きで悩ませたトンコ・ジンさんが消えたのは残念です。でも、そんなふうにまともなトッコ・ジンさんに拒絶されたら、私はあなたに惹かれていることを認めるしかありません。」
ジン 「ク・エジョン、お前は絶対に認めないと言っていたのに、どうして今頃になってこんなことをするんだ?」
エジョン 「トッコ・ジンさん、私に10秒時間をください。60~90の安全域を本当に出ないかどうか、私に確認させてください。」

ジンは、いきなりエジョンの肩を抱きます。
ジン 「本当に俺のことが好きなのか?」
エジョン 「はい。近くにいると、磁石みたいにくっつきたくなるんです。」

そう言ってジンに飛びつくエジョンを、ジンは優しく抱きしめます。

しかし、エジョンの体の向きを変え2階に連れて行こうとするジンに、抵抗するエジョン…。


ジン 「不公平だと思ったから、一度試してみたかったのか?俺にちゃんとくっついていることもできないじゃないか。帰れ!」
エジョン 「あなたが私にしがみついていたとき、ちゃんとくっつくことを考えてましたか?最後まで離れないでくっついているつもりでしたか?ちゃんと考えていたかと聞いているんです。それなら、そんな複雑で現実的な態度でいる必要はありません。あなたの心臓はわかっていて変わったんです。人口心臓だって言っていたでしょ?その心臓はしっかりしてますね。」



そう言って出て行くエジョン…。
ジンの心臓がまたドキドキし始めます。
ジン 「おかしくなったに違いない。俺はそんなに複雑で現実的に考える傾向はなかった。だろ?」


--------* ジェニーの店



ジェニー 「トッコ・ジンの病気はもうよくなったんでしょう?」
ジェソク 「はい。昨日は気分がいいようでしたよ。」
ジェニー 「体が元気なら、気分もあ~んなによくなるわけ? どうしてなの? どうしてエジョンにまだあんなことをするの? ユン・ピルジュさんにまであんなにやさしくしたりして…。」
ジェソク 「エジョンオンニが、まだユン・ピルジュを選んでないからでしょ。」
ジェニー 「そうよ。カップルメイキングで確認してもらうわ。先に雰囲気を作っておかなきゃ。」

ジェニーは、ピルジュに電話を!

--------* ピルジュの病院

ピルジュ 「はい、今夜ジェニーさんのお店に行きます。」

電話を切ったピルジュは…。
「こうやって助けて貰えると本当に助かるな。また彼女を誘うのが難しかったから…。」
そう言ってデスクに座った途端、カップを倒しそうになるピルジュ…。
「慎重に! 興奮しすぎるとまた失敗するぞ!」

脈を測るピルジュの足元には、エジョンへのカメラの贈り物が…。

そこにセリが!

セリ 「私、弱々しく青白く見える?」
ピルジュ 「そうですね。」
セリ 「あなたにもらった薬を飲み過ぎたようで、胃がおかしくなっちゃったの。」
ピルジュ 「それはいけませんね。さぁ、見せてください。気力がないでしょ?他におかしなところは?」
セリ 「いくら調べても、ユン・ピルジュさんに私の診断はできないわ。」
ピルジュ 「僕だってすべてを治せるわけじゃありません。」
セリ 「エジョンオンニが、好感を持たれてないのは知ってるでしょ?このままだとあなたにも影響があるわ。それでも本当にやるつもりなの?」



ピルジュ 「僕がどれほど彼女が好きかを見せたら、他の人達も彼女を好きになるんじゃないですか?」
セリ 「エジョンオンニが、他の人を好きなことは知ってるでしょ?」
ピルジュ 「僕がそれ以上に彼女を好きなら、うまくいくかもしれませんよ。」
セリ 「自分の好きな人が、目の前で誰か他の人を好きだというのを見るのは、本当に辛いわ。本当にわからない医者ね。」

診察室を飛び出すセリ…、受付にはミナが!

じっと見つめ合う二人、セリは少しずつミナに近づいて行きます。
そこに患者がサインを貰いにセリを取り囲みます。
「セリさん!サインをいただけませんか?」

くるりと背を向けるミナ…、セリはその場に倒れてしまいます。
彼女を助け起こすピルジュ…。
彼は、看護師にすぐ治療の準備をさせます。

--------* ジンの部屋

心拍計を見つめるジン…数字は83!。
「ク・エジョンがあんなふうに帰ったのに、何ともない…。(胸を抑え)どうしてそうなんだ? そして俺はどうしてこんなに恥ずかしさを感じるんだ? このままじゃだめだ。最初からすべてをやり直す必要がある。」


ジンは、ワインを取り出します。
「ピーターに送った賄賂のブドウのワイン…、これがすべての始まりだ。だからこれから始末してやろう。」


--------* ジェニーの店

エジョン 「どうしてこんな料理を作ったの?」
ジェニー 「エファンオッパは?」
エジョン 「ヒョンギュの宿題を手伝っているわ。オンニ、今日は何か特別の日なの?」
ジェニー 「お祝いよ!最近お祝いするようなことがあったじゃない?誰かが、ク・エジョンのお守りかもよ!」
エジョン 「お守り?」
ジェニー 「すぐ来るわ。もう来るはずなんだけど…。」
エジョン 「たくさん作ったのね。」

そのときお客の来たベルの音が!
ジェニー 「あなたのお守りが来たわ!」

振り返った3人の前に立っているのは、ワインを手にしたジン…。

ジェニー 「(ジェソクを睨みながら)あなたが…?」
ジェソク 「僕は、しがないマネージャーですから…。」

エジョンとジンは、テラスのテーブル席に…。

ジン 「俺達がここまでくる間、こいつは大きな役割を演じてきた。ピーターが送り返してきた、このブドウからできたワインだ。」
エジョン 「これをどうしてここに持って来たんですか? 気まずさと感謝と憐れみ、それを償うために持って来たんですか?」
ジン 「ひとつ忘れていたことがあるんだ。ク・エジョン、す……、ソーリー!ソーリー、聞こえただろ?」

エジョン 「聞こえません…。」
ジン 「とにかく、そういうことで持って来たんだ。これで、お前が回復してくれたらいいんだが…。」
エジョン 「回復?」
ジン 「これが俺達の始まりだったんだから、開けよう。そうすれば、お前も回復できる。」
エジョン 「そんな話ってありますか?」
ジン 「信じろ。俺は自分を信じていいる。だから、回復できたんだ。同じことがお前にも起きるはずだ。俺が催眠術をかけてやる。(術をかけるように…)これを空にしたとき、お前のすべてが終わる~~!」

エジョンは、黙ってワインを手に取ります。
ジン 「ナイス、ク・エジョン! ク・エジョン、回復、回復…!」
瓶からそのままワインを飲み始めるエジョン…。
驚くジン、そしてジェニーとジェソク…。

ジェソク 「一気飲み…?」
ジン 「ク・エジョン、何をやってるんだ?おい、それは1,500万ウォン?もするんだぞ!」

結局エジョンは、ワイン1本を飲みほします!

エジョン 「これで全部回復しました。」
そう言って、気分が悪そうに口を押さえるエジョン…。

ジン 「そんなバカな飲み方をするからだ。吐くぞ…。」
エジョン 「私は絶対に吐いたりしません。最初から今までに起きたことすべてを、私は全部飲みほしたんです。全部消化して、うんちにするんです。」

ヨロヨロと立ち上がるエジョンに駈け寄るジェソクとジェニー…。
ジンは、ただその場に呆然と立ち尽くしています。


ジェニー 「トッコ・ジンさん!ユン・ピルジュさんが来るから、帰って貰えますか?ユン・ピルジュさんは、エジョンにとって本当にいい人なんです。エジョンが彼の大切なものを失くしても、エジョンが負担を感じるだろうと、彼は新しいのを買って、それを見つけたと嘘をついたんです。エジョンのためにそうしたんです。」
ジン 「大切なもの?それは何だ?」
ジェニー 「ペンです。トッコ・ジンさんが捨てて、また見つけたあのペンですよ。」
ジン 「あのペンは、ク・エジョンが買って、見つけたと嘘を言ったんじゃなかったのか?」
ジェニー 「トッコ・ジンさんが勝手に誤解したんでしょ。」

呆然と立ちつくすジン…。


--------* ピルジュの病院

ピルジュ 「あなたがさっき言ったことを考えました。自分の好きな人が、別の人を好きなのを見ているのは、辛いいということ。カン・セリさんは、トッコ・ジンさんと別れることがそんなに辛いんですか? こんな状態になるほど辛いのを見て、あなたは真剣なんだと思いました。」
セリ 「そうよ、真剣よ。こんなに辛いとは思わなかったわ。会えば会うほど、好きになるの。」
ピルジュ 「僕も同じ状況だから、何の解決にもなりませんが、元気を出して下さい。カン・セリさんは、本当にたくさんの人に愛されています。それなのに、あなたがこんなに元気がないことを知ったら、皆がっかりしますよ。元気を出して、わかるでしょ?」
セリ 「それじゃ、もうちょっと私といてくれないと…。一人になるともっと落ち込んじゃうわ。だから、もうちょっとだけ私と一緒にいてちょうだい。」
時計を見て、ため息をつくピルジュ…。


ピルジュ 「それじゃ、もう少しだけいることにします。普段から鬱の兆候はあるんですか?」
セリ 「えぇ、まぁ…。」
ピルジュ 「鬱には、お茶を飲むんです。元気を出すお茶の名前を書いてあげます。」
ピルジュは、ノートにお茶の名前を書き始めます。


--------* ジェニーの店

ジェニー 「エジョンはトイレにいないけど、帰ったの?」
ジェソク 「トッコヒョンニムを見張ってたから、わかりません。」
ジェニー 「どこへ行ったの?あれだけ飲んだんだから、酔ってるはずよ。」
ジェソク 「早く電話してください、ヌナ。」

ぼんやりテラスに立っていたジンに、”ドキドキ”の歌が聞こえてきます。
「ク・エジョン?」と店の外に出て行くジン…。

ジンは酔ってベンチに座るエジョンを見つけます。
ジン 「ク・エジョン、どうしてここにいるんだ?」
その声に反応して、顔をあげるエジョン!


エジョンを心配するジェニーとジェソク。
そこにエファンが現れます。

ジェニー 「オッパ、エジョンを見なかった?」
エファン 「見なかったが、なぜだ?」
ジェソク 「ワインを1本飲んで、いなくなったんです。」
エファン 「エジョンが酔っぱらった?」

ジェニー 「エジョンは、酔ったところは誰にも見られるわけにはいかないのに……。」
ジェソク 「エジョンヌナは、飲酒暴行事件に関係していたんですか?」


酔ったエジョンを見つめるジン…。
ジン 「大丈夫か?酔ったのか?」
エジョン 「大丈夫か?酔ったのか?」

ジン 「何だ?」
エジョン 「何だ?」
ジン 「ク・エジョン、しっかりしろ。」
エジョン 「しっかりしろ。」


エファン 「エジョンは酔うと、他人の言ったことを繰り返すんだ。あのときはおばさんがいて、その人の言ったことを繰り返し、ため口を聞いた。おばさんは怒って、ああいうことになったんだ。」



ジェニー 「そのおばさんが、”この娘は頭がおかしいのか?”って言ったの。エジョンは酔ってたから、それをそっくり真似したわけ……。二人とも、何をしてるの?早く探しに行きなさいよ!」


ジンの言葉をそのまま繰り返すエジョン…。

ジン 「お前の酒癖は、人の言ったことを繰り返すことなのか?」
エジョン 「…言ったことを…。」
ジン 「どうしてペンのことを俺に説明しなかったんだ?」
エジョン 「なぜしなかった…。」
ジン 「俺を信じられなかったんだろ?」
エジョン 「信じられなかった…。」
ジン 「それじゃ、俺を好きにならないって言ったこと、本当に取り消すつもりだったのか?」
エジョン 「取り消すつもりだった…。」
ジン 「あのジャガイモ、お前が俺に持ってきてくれた…。」
エジョン 「お前に持って行った…。」
ジン 「それじゃ、あのとき、お前は魚の餌をやりに来たんだ…。」
エジョン 「来たんだ…。」
ジン 「すまなかった。」

倒れそうなエジョンを抱きしめるジン…。

ジンは心拍計に見て、自分の胸に手を当てます。


ようやくレストランにやって来たピルジュ!

ジェニー 「エジョンはちょっと酔ってしまって、それで外に出て行ったみたいなの。エファンオッパとジェソクが探しているわ。」
ピルジュ 「そんに酔ってるんですか? 僕も探しに行ってきます。」


店の外に出たピルジュは、ベンチに座るエジョンを見つけます。
ピルジュ 「ク・エジョンさん、大丈夫ですか?」
エジョン 「大丈夫ですか?」
ピルジュ 「立てますか?」

二人の様子を見つめるジン…。


ピルジュ 「どのくらい飲んだんですか?立てますか?」

ジンはそっとその場を立ち去ります。

肩にもたれて眠ってしまったエジョンに語りかけるピルジュ…。
「ク・エジョンさん、明日は僕の手を取ってくれるでしょう?」
ピルジュは、エジョンの小指に自分の指を絡めます。
「約束しましたよ。」



-------* ジンの家

「ク・エジョンがお前達に餌をやりに来たのか。口がきける動物を育てるべきだった。犬なら、ク・エジョンが来たのかと聞いたら、”ワン、ワン”と答えたはずだ。どうしてお前たちは、一言も言わなかったんだ?」



-------* セリとチャン室長

セリ 「チャン室長、私、国宝少女が解散したときは、私が叩かれたんだし特に言わなかったけど、どうして叩いた張本人のエジョンオンニの言いなりになって解散したの?」
チャンM 「当時、ク・エジョンを世話している人間がいたんだ。その人から金を受け取った社長は何も言わず、すぐに解散することを許したんだ。」
セリ 「エジョンオンニにそんな人がいたの?誰なの」
チャンM 「それを知っていたら、今ク・エジョンを放っておくか?」
セリ 「いつもくっついていたハン・ミナは知ってたのかしら?」
チャンM 「彼女は身を隠してしまった。見つかったら、俺もミナに聞きたいことがいろいろあるんだ。」
セリ 「私も、エジョンオンニのことをいろいろ聞いてみたいわ。気になることがたくさんあるのよ。探したほうがいいのかどうか…。」
チャンM 「やるなら、教えてくれ。俺がお前のために、ク・エジョンの秘密を探し出してやる。」



-------* エジョンの家

二日酔いのエジョン…、そこにジェニーが!

ジェニー 「ク・エジョン、薬を飲みなさい! 目が覚めたら飲ませるようにって、ユン・ピルジュさんが、あんたのためにこの薬を置いていってくれたのよ。」
エジョン 「あぁ、ユン・ピルジュさんってなんていい人なのかしら。」
ジェニー 「エジョン、私はあなたに傷ついたり病気になったりしないで生きて欲しいの。だから、あなたが辛い理由を知っていても、知らないふりをしたいの。行くわね、薬を飲むのよ!」



薬を飲もうと飲み物を手にしたエジョンは、そこにあるジンのラベルに目を止めます。
右頬にジンのビタミンウォーターを当て、 「冷たい!」
そして、左頬にピルジュの薬…、 「温かい!」……。
そして、両方を見つめながら悩むエジョン…。

収録に向かうため家を出るエジョンとエファン。
そこには、ジンが立っています!

エファン 「どうしてトッコ・ジンがまたここに?お前の撮影の邪魔をしようとしているんじゃないか?」
エジョン 「私が昨日、すごく酔ったことを聞いたんだと思うわ。はっきりさせたほうがいいから、オッパ、先に行って!」
エファン 「あっ、エジョン…。お前来るよな? オッパは、お前を信じてるぞ。」

エジョンは、ジンの前に!

ジン 「ク・エジョン、大丈夫か?」
エジョン 「トッコ・ジンさんがくれたワインのせいで二日酔いなんです。この二日酔いを覚ますのを手伝ってください。それから、私を撮影現場まで連れて行ってください。」


-------* 食堂

エジョン 「これを食べて二日酔いと腹痛を回復するから、食べ終わるまで私に構わないでくださいね。」
ジン 「考えてみたら、今までこうしてお前と向かい合って座ったことがなかったな。」
エジョン 「いつも私を追い払っていたからでしょう。一度も気持ち良く隣に座らせてくれたことはなかったわ。でもよかったわ。もし私が逃げ出さないで、最後まであなたにくっついていたら、私達最後にはあれに載っていたかもしれないわ…。」
と、目で新聞を指すエジョン。


ジン 「そうなっていただろうな。ク・エジョンのレベルはそのままだとしても、トップのトッコ・ジンは引きずり落とされていただろう。」
エジョン 「それがわかっていたのなら、我慢して私を好きじゃないふりをするべきだったのよ。」
ジン 「それができないほどお前が好きだったんだ。」
エジョン 「私のことがそんなに好きだったの?」
ジン 「そうだ。屈辱の片想いに振り回されているトッコ・ジンを見ただろう。もうそうじゃないから、正直に言ってるんだ。もし正気に戻ってなかったら、俺は地に落ちて、ハートがブレイクしていたさ。」

笑いだすエジョン。
ジン 「どうして笑うんだ?俺をからかっているのか?」
エジョン 「(首を振って)ただ、私が哀れだからそうなったんじゃなくて、私を好きだからそうなったことがわかったから、嬉しいの。」

サングラスの陰に笑みを浮かべるジン、そして彼は心拍計を見ます。 数字は80!
ジン 「お前がこうして笑っても、俺は大丈夫だ。」
エジョン 「そうね。…。」
ジン 「俺はちゃんとマインドコントロールができるトップのトッコ・ジンだ。」

エジョンはいきなりジンの手に噛みつきます!


ジン 「何をするんだ?」
エジョン 「どんなにうまく自分をコントロールできるか確認したの。」
ジン 「確認?」
エジョン 「はい。何ともないことがが確認できたわ。」

そこにスープが運ばれてきます。
エジョン 「これを全部食べなくちゃいけないから、私も何にも感じないわ。私の頭と胃は傷ついていても…。」

サングラスを外し、食事をするエジョンをじっと見つめるジン…。
心拍計の数字は、86!


-------* カップルメイキングロケ現場

スタッフ達は、セットの準備に大忙し!


一人佇むピルジュに近づくセリ…。

セリ 「ユン・ピルジュさん、あなた、エジョンオンニが来ると信じているんでしょう?でも、エジョンオンニは来ないみたいよ。驚いたようね。」
ピルジュ 「それはからかってるんですか?もうすでに緊張しているんですから、そんなふうにからかわないでください。」
セリ 「ちょっと前はビックリしたのに、今度は怒ってるのね?その気持ち、忘れずに覚えておいてちょうだい。そうすれば、次はもっと説明が楽になるから…。」

ジンに送られて、エジョンも現場にやって来ます。

エジョン 「あっちでうまく撮影して来ます。送ってくれてありがとう。」
ジン「今から行くところには、漢医者が待っているんだろ?」
エジョン 「はい…。」

一度は行こうとするエジョンですが、またジンのほうに向きなおります!


エジョン 「トッコ・ジンさん! トッコ・ジンさんが、すべてを正直に話してくれたから、私も行く前に、すべて正直に話します。正直、あなたは私をときめかせてくれました。トッコ・ジンさんに会ってから、私の心に桜の花と椿の花が咲いたんです。つつじの花も咲きました。でも花が咲くといつも、その花びらも全部落ちてしまいます。だから、私はあなたに惹かれて幸せでしたけど、手を伸ばすのが怖かったんです。結局私は、一歩ずつ近づいて行きましたが、幸いに花びらが先に自分から落ちてくれました。」

心拍計を見るジン、…数字は87-88!

エジョン 「素敵な春の日に、本当に本当にきれいな花を見せてくれてありがとう!」


エジョンの言葉に、放心したように心拍計を見るジン、…それでも数字は88!
ジン 「おかしいぞ。こんなに心臓の高まりを感じているのに…。」

エジョン 「私、行きますね。」
ジン 「(彼女の手を取り)ク・エジョン!何かがおかしいんだ。俺も確認しなければならない。」

ジンは、いきなりエジョンにキスを!

心拍計は88!
ジン 「何ともない。」
エジョン 「何ともない?」
ジン 「そんなはずはない。」
エジョン 「安心したわ。最後に何ともないことを確認してくれてありがとう。」

エジョンは歩き出します。

ジン 「何かが間違っているんだ。」
ジンは、心拍計を外し、自分で脈を測り始めます。


いよいよカップルメイキングの収録開始!

セリ 「カップルメイキングシーズン3の完璧な男、ユン・ピルジュさん…。彼の気持ちを彼女が受け止めることを願って、今日ここに立っています。ク・エジョンさんは、ユン・ピルジュさんの心を受け取りに現れるでしょうか?」

脈を数えるジン…。
「55、56、……、129、130。130!!!」



セリは、マイクを下に置いて、ピルジュに話しかけます。

セリ 「ユン・ピルジュさん。エジョンオンニとの始まりを考えてるから、震えながらも幸せなんでしょ? でも、私はそれ見るのが嫌だから、今話すわ。さっき覚えておくようにと言った気持ち、私の気持ちなのよ。私、ユン・ピルジュさんが好きなの。」


モニターを見つめるスタッフたち。
PD 「あの表情はどうしたんだ?」

そのとき、 「エジョンさんです!」の声が…。仕方なくマイクを持つセリ…。

セリ 「とうとう、完璧な男性が待っていた女性が現れました。…。カップルメイキングシーズン3の最終候補者ク・エジョンさんは、新たなスタートのためにユ・ピルジュさんに向かって歩いて来るのでしょうか。それとも、心が痛む拒絶をしに来るのでしょうか。ク・エジョンさんの顔が見えます。ユン・ピルジュさんは、緊張しているようです。視聴者の皆様、もう少しお待ちください。」



セリ 「ク・エジョンさんが、突然歩くのを止めました。彼女の決心が最後の瞬間に揺れ動いたのでしょうか。これは、幸せな結末のために揺れているのか、それとも別離のためなのか…。緊張の瞬間です。」

セリ 「ク・エジョンさんが、ユン・ピルジュさんに向かってまた歩き出しました。彼女は、どんな決断を下すのでしょうか。」

ピルジュは、ハートの中に入ってエジョンに手を差し出します!

セリ 「ユン・ピルジュさんの準備が完了しました。ク・エジョンさん!あなたの心を決めてください。」

エジョンは、ピルジュの手を取り、ハートの中に入ります!



胸を押さえながら走ってきたジンは、立ち止まって花火の上がる現場を見つめます。
「ク・エジョン!」…。苦しそうに呻くジン…。
「ク・エジョン、とても痛いんだ。死にそうなんだ…。」


第10話に続く!
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