アイリス(IRIS) ・・・・・ momochiの韓流メモ 別館 ブログに戻る

韓国名: 아이리스  英語名:Iris
2009年10月14日~ KBS水・木 21:55~ 全20話
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第11話 第12話 第13話 第14話 第15話 第16話 第17話 第18話 第19話 第20話
※ 投稿動画の英語字幕の翻訳ですので、本来のシナリオとは違います。

アイリス第11話 あらすじ

<前回までのあらすじ>
ヒョンジュンの残していったネックレスを発見したサウは、徐々に、ヒョンジュンがテロリストの活動に手を貸していることを疑い始める。偽装された情報を通して、テロリスト達は、サウの注意を逸らし、NSS本部へ侵入する。まもなくNSSに到着したスンヒは、テロリスト達と戦い、覆面を被ったヒョンジュンと出会うことになる。

<第11話>
ファイルをコピーし終わったヒョンジュン。
その背後からスンヒは、「動くな。武器を捨てなさい。」と。
思いがけない彼女との再会に、呆然とするヒョンジュン。
その時彼女の後ろにテリストの姿を見つけたヒョンジュンは、その男に向けて発砲します。
スンヒもヒョンジュンに向けて銃を。
倒れたヒョンジュンに近づき、覆面に手をかけるスンヒ。
そこにスンファがやって来て、「動くな。銃を捨てろ!」と。
彼女に襲い掛かろうとするスンヒですが、ソンファに銃で殴られ気絶します。
急いでヒョンジュンに声をかけるソンファ。
そして、彼の防弾チョッキに突き刺さっている弾丸を見つけ、彼女は安堵のため息を。

入り口を爆破するサウ。
ガンソクはすぐ、「入り口が開けられました。」とドチョルに知らせます。
「すぐ退却だ。」とメンバーに無線で連絡するドチョル。

テヒョンは、NSSの人質達にそこを動かないように命じ、部屋を出て行きます。
「何かするべきじゃないの?」とミジョン。
「じっとしていましょう。」と言うジョインに、「でももう誰もいない。」とテソンは銃を取り出します。
そして彼らのあとを。
時限爆弾をセットし、ドチョルに報告するテヒョン。
「わかった。集合場所へ急げ!」とドチョル。

部屋からヒョンジュンを引きずり出すソンファ。
ヒョンジュンはようやく意識を取り戻します。
「あれは、スンヒだ。スンヒはまだ生きているんだ。なぜ彼女は生きているんだ?」
「だめよ、こんなことはしちゃいけない。今すぐ脱出しなくちゃ。」
と彼を止めるソンファに、「どいてろ!」とヒョンジュン。
「入り口はすでに爆破されたわ。NSSの援軍がまもなくここにやって来る。」
彼女を突き飛ばしスンヒのところへ行こうとするヒョンジュンに、銃を向けるソンファ。
「戻るのよ。我々はすぐ出発しなくちゃいけないわ。」
ヒョンジュンは、ソンファを組伏せこう言います。
「お前はスンヒに何をしたんだ?」
「心配ないわ。彼女はただ気を失っているだけよ。」
「俺はスンヒに会いに行く。」
「それであなたはどうするつもりなの?彼女に会って、何ができると言うの?もし私達がここで捕まったら、誰もあなたを信用しないわ。まず逃げなくちゃいけないのよ。私達が、なぜ今こんなことになっているのか、考えて。」

そこへドチョルが、「何をやってるんだ?」とやって来ます。
「私達は、外と通信しようとしていた者を追っていたんです。」
そこにグァンス達も。
「まもなくNSSチームが制御室に到着します。すぐここから出なければなりません。」
ついて来いと立ち去るドチョル。
ソンファは、ヒョンジュンの腕を掴み「行きましょう!」と彼を促します。

建物の中を進んでくるサウ。
「準備しろ!」と言うドチョルの号令で、テロリスト達はテヒョンを怪我人に仕立てます。
ドチョルは、明かりを消すようガンソクに。
暗闇の中で、間違えて引き金を引くテソンの銃声に、一斉に発砲するNSSの隊員。
サウは、「撃つのを止めろ!」と一人で部屋の中へ。そこで、ミジョン達を発見します。
「ここには、私達だけよ。」と言うジョインに、「チョ・スンヒはどこだ?」とサウ。
「彼女は、来てないわ。」
「いや、彼女は絶対にここにいるはずだ。」とサウ。

そこに隊員が、制御室に時限爆弾がしかけてあることを知らせに来ます。
すぐに現場に向かうサウ。
「これは、RDX爆弾で、起爆装置に繋がっています。」と隊員。
「どれくらい時間がある?」
「5分21秒です。」
「その時間までに外せるか?」
「やってみます。」
そこに支援部隊が到着しましたと連絡が。サウはこう指示をします。
「支援部隊とすべての人員は、今から4分以内にこの建物から全員非難しろ。」

騒然としたビル内を進むテロリスト達。
その中を探し回るサウに、ヒョンギュは「チョ・スンヒはどこだ?」と。
「スンヒを見たんですか?」と訊ねるサウに、
「彼女は、私を助けて、出て行ったんだ。」とヒョンギュ。
隊員からの報告を聞くサウ。
「我々は2分以内に、全員を建物から非難させなければなりません。」
「3階にいた20名は、今外に出ているところです。」
そんなサウの横を通り過ぎるヒョンジュン。

サウは必死でスンヒを探し回ります。
爆弾処理班に連絡するサウ。「残り時間はどれくらいだ?それまでにやれるか?」
処理班の男は、思い切ってワイヤーを切断、時限装置を止めることに成功します。
そしてサウに、「切断に成功しました。」と連絡を。

倒れているスンヒを見つけるサウ。
ヒョンジュンは、テロリスト達とNSSの建物から出て行きます。

アジトに戻り、スンヒを思い出すヒョンジュン。
そんな彼を見つめるソンファに、ドチョルは言います。
「あいつに何があったんだ?」
「何もないわ。」とソンファ。
「NSSから戻って以来、彼はおかしな様子のままだ。」
「彼は、自分のかつての友人だった人間を殺したのよ。気分がいいわけがないわ。でもすぐ元気になるはずよ。心配いらないわ。」
ソンファは、ヒョンジュンの傍に行き、こう言います。
「みんなが、あなたの様子を訝しく思っているわ。今あなたが辛いのはわかるけど、自分の気持ちをしっかり保たないと、これからがたいへんよ。」

仕事に戻ったミジョンは、ジョインに、
「システムと情報は、全部復旧したわ。すべてがちゃんと動くはずよ。」
そう言って席に着いた彼女に、「かっこよかったぞ。」とテソン。
「あんな状態の中で、君はそれでも情報を守ることを考えていた。」
「当たり前じゃないの?」とミジョン。
「僕は頭の中が真っ白だったよ。」
「ハッカーとして、私達は戦場でコンピュータを使うべきよ。ずっと触っていなかった銃を使う必要はないわ。」とミジョンは、テソンに。ジョインも
「ミジョンが正しいわ。あなたの銃のせいで、みんなが危うくなったかもしれないのよ。」

サンヒョンは、ペク・サンに報告を。
「今までに、11名が死亡、怪我人が6名です。ですが、死亡者の数は、もっと増えると思われます。怪我人のほとんどは、警備室の主要な人員です。我々のエリート要員がすべて動員されていたので、損害はもっと大きくなるでしょう。」
「このテロリスト集団についての調査はどうなっている?」とペク・サン。
「我々が回収した死体は、犯罪捜査オフィスに送られました。彼らは、我々の注意をそらし、我々の本部への侵入の機会を得たのです。彼らが使用した無線通信の方法やその他の要因から、彼らはNSSについてかなりの調査をしていたか、彼らの中に元NSSの部員がいたか、そのどちらかだと思われます。」
「なぜ彼らはNSSを襲撃したんだ?」
「それは、RNDデータバンクです。というよりは、データバンクに保管されていた部品です。今までのところ、これについては誰も知りません。」
そこにペク・サンに電話が。
「青瓦台からだ。(大統領官邸)」とペク・サン。

ペク・サンを問い詰める政府高官。
「どうしてこんなことが起きたりしたのだ?」
「テロ対策軍が、テロリストに襲撃されたのだぞ。何と馬鹿げたことだ。」
「NSSを襲撃したのは、誰だったのだ?もう見つけ出したのか?」
「今捜査中です。」とペク・サン。
「国内問題の部長にこの問題は任せるべきではないのか?北朝鮮の使者が来ているんだ。もしこのことが漏れたら、非常に困ったことになる。」
そこに、ペク・サンに大統領からの呼び出しが。
「私はすべての責任を負って辞職いたします。」とペク・サン。
「たとえそんなことをしても、君はこの問題を正しく収めなければならないのだ。」
「私はすでに、テロリスト達の背景の調査を開始しています。さらなる捜査も進められるでしょう。」
「どうしてこのテロリストは、NSSを襲撃したんだ?彼らはNSSを襲撃するほど勇気があったのだから、そこには特別な動機があったはずだ。」
「これは報告書に記載されていないことが、ひとつあります。NSSが保管しているものが、なくなりました。」

二人の会話を盗聴する秘書室長。
「それは大変重要な電子起爆装置です。固形ウランとの反応して、核反応を起こすための起爆装置です。」
「つまり、核兵器ということか?」
「NSSの保管する部品には、固形ウランは含まれていませんでした。固形ウランは、簡単に手に入るものではありませんが、もし誰かがすでに固形ウランを持っていて、それでこの襲撃を計画したなら、この人物はいつでも爆発できる原子爆弾を持つことを意味します。」
「つまり、このテロ集団は、すでに原子爆弾を手に入れたということか?」
「そう言えるでしょう。」とペク・サン。

チョリョンの部屋をガイガー計測器で調べる部下。
チョリョンは、ドチョルからの電話に出ます。「今どこにいる?」
「我々はもう安全で、次の指令を待っているところです。」とドチョル。
「被害の状況は?」とチョリョン。
「3名失いました。次の戦いに入る前に、援軍が必要です。」
「大人しく私からの連絡を待て。」
チョリョンは、部屋にいた部下に言います。
「彼らに支援部隊が必要だ。」

起爆装置を開けてみるドチョルは、テヒョンに「もうすぐだ。」と。そして、
「固形ウランが届いたら、お前がこの二つを組み合わせる必要がある。できるか?」
「はい。みんなが、これが何かということを気にしています。」とテヒョン。
「だが、今はまだ何も話す時期ではない。秘密にしておく必要がある。」

「何?ギドンとミョンスを殺したのは、女だと?」と驚くグァンス。
「そうだ。彼女は、支援部隊を呼んだ人間だ。」
「役立たずめ。その女のせいだ。」とグァンス。ガンソクは、
「その女はどうした?お前が彼女を殺したのか?」
「いや。」
「その女のことを覚えているか?」

そこにドチョルがやって来ます。
「次の指令が車で、我々はここに留まる。」
「次の指令はいつ受け取るんですか?」とグァンス。
「それは俺にもわからん。あいつはどこへ行ったんだ?」とドチョル。
「出かけています。」と言うソンファに、ドチョルは、「彼を外に出すな。彼を見張っていろ。」と。
ヒョンジュンは、スンヒのアパートを訪れます。
サウと三人で飲み明かした日のことを思い出すヒョンジュン。

スンヒの病室を出たサウは、一人で酒を飲みながら、ペク・サンとの会話を思い出します。
「理由が何であれ、私にはできません。」
「もし君がやらなければ、私は他に誰かを探すだけだ。行って、チョ・スンヒを呼んで来い。」
ペク・サンはこうも言います。
「いわゆる偶然と責任感のために野心が揺れ動かされるようなら、そいつは決して何も達成しない。私は、お前を選ぶという正しい選択をした。そうではないか?」

そしてヒョンジュンの残したロザリオを見つめたサウは、ペク・サンに電話をします。
「私は今あなたにお会いする必要があります。」とサウ。ペク・サンは、
「私には、そんな暇な時間はないんだ。また今度にしてくれ。」と。
それでも会いたいと言うサウに、「どうした?飲んでいるのか?」とペク・サン。
「しらふでは、とても耐えられません。それで少し飲んでいます。ヒョンジュンのことを考えならが飲んでいました。スンヒのことを考えながら飲んでいました。私の人生をこんなにも変えてしまったあなたのことも考えました。どうしてあなたは私を選んだのですか?私を絶望のどん底に落としたかったのですか?」
「チン・サウ、聞くんだ。そうだ、私はお前を選んだ。だが、最期に決断したのはお前なんだ。今になって私を非難するとはどういうことだ?君がこんな馬鹿な話を続けるなら、私は君を簡単には自由にしない。」

サンヒョンは、ジョインに「詳細な報告書はまだ上がってこないか?」と。
「まだです。テロリストの背景の捜査はあなたが担当したのですか?」とジョイン。
「いや。だが、ひとつだけ確かなことがある。我々の中に、テロリストを手助けした者がいる。彼らは、我々の内部を見る警備システムを使うことができた。だが、重要なのは、彼らが無線通信装置を使ったことだ。もし我々の中にスパイがいなかったら、我々がそのシステムを使っていることを、彼らはどうやって知ったんだ?」
「NSSの中の、誰ですか?」
「今はまだ見つけ出すための十分な情報がない。」

サンヒョンは、現れたサウに、スンヒの容態を訊ねます。
「彼女はまもなく退院します。で、何を見つけた?」
「犯罪捜査オフィスは、テロリストの死体を分析して彼らの正体を調べています。何も出てくるはずはありませんけど。」とミジョン。サウは、サンヒョンに、
「NSSを襲撃した彼らの動機はわかりましたか?」と。
「ちょっとついて来い。」とサンヒョンは、離れたところでサウに事情を説明します。
「起爆装置?」とサウ。
「99.9%以上の精度を持つ、強力な起爆装置だ。高い反応性質がラボでテストされていた。」
「核兵器ということですか?」
「固形ウランと組み合わせると、核兵器になる。このひとつが、ソウルの中心部に設置されたら、大統領官邸、国会、その他の政府の建物が直接影響を受けることになるんだ。死者の見積もりは、少なくとも150,000人。これまでこの情報は、トップレベルの者にしか知られていない。だから、指令を受けるまでは、お前は行動を起こしてはいけない。」

ペク・サンから電話で呼び出されるサンヒョンは、「彼らが既に出国した可能性は?」と。
「もしそんな場合は、問題はもっと複雑になる。韓国政府は、国際委員会から非難されるはめになり、経済制裁を受けることになるだろう。今後は、NSS全体が捜査に全力をあげ、国中の核リサーチセンターを調べるんだ。国家警備と一緒になり、国の警備レベルを最高レベルにしてくれ。」

秘書室長は、ミョンホに言います。
「北朝鮮との話し合いの準備は、ただ今進行中です。」
「そうか。彼らが出発する前に、私が個人的に彼らと会えるように調整してくれ。」
立ち去る前に秘書室長は、こう言います。
「ひとつわからないことがあるのですが、ペク・サン副局長は、何か私の知らないことを報告したのでしょうか。彼の報告書には、ただ損害のことだけが述べられていて、テロリストがそれをした動機については何もありませんでした。常識から判断して、NSSを襲撃するからには、そこには何か特別な理由があるはずですが。」
「その通りだが、今それを口に出す時期だとは、私は思わない。」
「はい。もし大統領がそのようにお感じなら、私は何も申し上げることはありません。私があなたに言いたいことは、ペク・サンをあまり信用しすぎないようにしてくださということです。」
大統領の執務室を出た秘書室長は、電話を。
「私だ。青瓦台で、それを知っているのは大統領だけだ。そのほうが、国境を越えての話し合いのためにはいいだろう。たとえ核兵器が脅威を引き起こしたとしても、大統領は引き続き話し合いを望むだろうと思う。また連絡する。」

ペク・サンは、ホテルでチョリョンと合流します。
「メインロビーからの出口はいくつありますか?」とチョリョン。
「全部で6つです。」
ホテルの警備室をチェックするチョリョン。
「破壊分子が利用できそうな死角となる可能性のある場所は、他にありますか?」
「我々がゲストのプライバシーのために作ったスペースを除いて、基本的にすべて他の場所は監視されています。」
「会談の間、我々の人員は、ここに待機できますか?」
「ここは、あなた方は自由に使えます。」

スジンは、ペク・サンに言います。
「このテロリスト達の背後にいる人間、ひょっとして、彼らは北朝鮮から送られたのでは?」
「まもなく彼らとの話し合いが進行するんだ。彼らもそんな無茶な決断はしなかっただろう。ところで、大統領の反応はどうだ?」
「大きな変化はないわ。」
そこへチェックを終えたチョリョン達が。
「我々は警備の準備の様子を見てきたところです。」と部長。
「どうでしたか?」とペク・サン。
「総体的によかったはずですが、警護要員のためのもの?以外は。」とチョリョン。スジンは、
「もしそれが問題なら、大統領のゲストハウスが、国家警察によって動く防衛の最前線として・・・。(??)」
チョリョンは続けます。
「北と南にはたくさんの違いがあります。我々ために、先のキム・デジュン大統領がいらしたとき、誰が歓迎グループの中にいるかを含めて、我々はすべての指揮権を持つことができました。これらの人々は、厳しい人物チェックを受ける必要がありました。つまり、両国のリーダーの安全に、決して脅威があってはいけなかったからです。ですが、韓国は違います。ここはソウルの中心部です。これを歓迎する人もいることは確かですが、そうでない人もいるはずです。安全と警備の準備に関しては、何か問題があるはずです。」
「会談の間、ゲストハウスを囲むエリアは、十分な数の警察と保安員によって警備されます。」
とペク・サンは答えますが,チョリョンは続けます。
「1999年の6月3日、あなたが記憶しているかどうかはわかりませんが、キンポ空港で、市民が韓国の大統領に卵を投げつけました。もしこんなことが会談の最中に起きれば、それを正すのは簡単でないことがわかるでしょう。」

アジトで時間をつぶすテロリスト達。
グァンスは、ガンソクに「俺達はNSSから何を盗んだんだ?」と。
「わからない。本当に知らないんだ。」とガンソク。
「俺達は既に3人を失っているというのに、まだ自分達が何をしているか知らない。何だこれは。」
「もしお前が不愉快なら、ボスに文句を言え。どうして俺に八つ当たりするんだ?」

パソコンに向うソンファに、外に出るよう合図するヒョンジュン。
そして彼は、ソンファに言います。
「俺は何も馬鹿なことをするつもりはない。お前も俺に難しい表現を使う必要もない。俺はスンヒが死んだと思っていた。それは、あの日ブタペストで、俺の目の前で吹き飛んだ車の中に彼女はいたからだ。それを目撃した後、それ以外の結論は俺には出てこなかった。これは、ペク・サンの情報庫から取り出したファイルだ。中を見るのを手伝ってくれ。」
「わかったわ。」と言ってから、ソンファは彼に訊ねます。
「彼らがNSSから取ったものは、何?あなたは何だかわかる?」
首を横にふるヒョンジュン。

すぐ作業を開始したソンファは、その中にヒョンジュンの家族のデータを見つけます。
「何をしている?」とガンソクに声をかけられたソンファは、慌ててディスクを抜き取るとヒョンジュンのところへ行き、ファイルの中身を説明します。
「ペク・サンが、NSSにいる間に着手していたすべての任務が入っているわ。すべてが二国間に大きな衝撃を与えるものよ。すべてがアイリスとペク・サンに結びつくはずだわ。さらに、韓国が核の研究をしていたときに関係していた科学者に関する情報も入っている。あなたの両親の情報もこの中にあったわ。」
「今何て言った?」
「キム・ギョンジュン?、グム・ミヨン?。あなたの両親の名前じゃないの?」
「俺には、両親の記憶がない。7歳のときに、孤児院に入ったんだ。俺が知っているのは、彼らが交通事故で死んだことだけだ。彼らがしていたことどころか、俺は自分の名前さえ覚えていなかったんだ。言え、次はなんだ?」
「二人は、核研究に関わっていた原子物理学者よ。」
ヒョンジュンは、大統領官邸で蘇った幼いころの記憶を思い出します。
「事故を演出した人物は、ペク・サンだった。あなたを孤児院へ送った人物もペク・サンよ。それ以後、彼はあなたが成長するのをずっと見ていたの。」

退院したスンヒは、NSSに向う途中、あの銃撃のシーンを思い出します。
彼女を気遣うミジョンとテソンに、「今、どうなってるの?」とスンヒ。ミジョンは、
「今私達は、死体の分析をしているんです。」
「あなた達は、彼らの姿を見たの?何か特徴はあった?」
「何もなかったわ。」とミジョン。
「彼らを特定できたら、知らせて。」と言うスンヒに、ミジョンは言います。
「いいえ、犯罪学ですら、何も手がかりを見つけられないんです。上のほうで、何か起きているみたいですけど、それが何なのかは私達にはわかりません。」

死体を調べるヒョンギュ。
彼は、何かを見つけたがわからない部下に代わり、自分で顕微鏡を覗きます。
そこにスンヒが。
「何もはっきりとしたことを見つけられないんだ。証拠になりそうなものは、既に取り除かれていた。だが結局彼らは、NSSに入ることができるエリートだ。」とヒョンギュ。
そこでスンヒの表情を見たヒョンギュは、「何だ、何か話があるのか?」と。
「あのとき、あなたはソフトウェアの話をしました。あれは…。」

それを聞いたヒョンギュは、部下達に休憩を取るように命じ、それから彼女の話を聞きます。
「前回、ウェブカメラからのあの映像。あなたは74%の確率でヒョンジュンだと言いました。それで、あれがヒョンジュンだったと確認することは可能ですか?教えてください。」
「それはだな。あの日、サウの強い反論のせいで、私は余計な混乱を引き起こすことを恐れたんだ。それであのままになってしまったのだが、結果を見れば、君もあの人物がキム・ヒョンジュンだと断定することができる。」

ヒョンギュの話を聞いたスンヒは、ジョインに話を聞きます。
「あなたが人質になっていたとき、テロリストがどんな顔か見た?」
「私達は彼らを見たわ。でも彼らは覆面をしていたの。」
「あなたは、地下の情報庫にいた私の映像を見たわよね。それなら、私が対決したテロリストが過って自分の仲間を殺した場面、あれは過ちではなかったということは考えられないかしら。私は、彼が私を救うためにそうしたと感じるの。」
「何を言ってるの?どうして、テロリストがそんなことをするわけ?」とジョイン。
「あの人物は、ヒョンジュンのような気がするのよ。あなたがブタペストから得たヒョンジュンの死に関する情報は、信頼できるものなの?」
「スンヒ、いったいどうしたの?」
「馬鹿げたことだということは、わかってる。でもお願いだから、ブタペスト当局からのニュースを確認して欲しいの。」

変装するチョリョンの部屋で、パソコンを操作していた部下は、「接続しました。」と。
「我々には、どれくらい時間がある?」
「映像は、60秒間、過去のものと置き換わります。」と部下。そして「今です!」と合図を。
監視カメラの映像が差し替えられている間に、ケースを持って部屋を出るチョリョン。
部下は彼に指示を送ります。
「階段に入ったら、スタッフ専用のエレベータがあります。」
指示通り、ランドリールームを抜け駐車場へ向うチョリョン。
彼は、車でドチョル達のいるアジトへやって来ます。
「ご苦労だった。」と言い、ヒョンジュンを見つめるチョリョン。

NSSのミーティングで、調査結果を報告するヒョンギュ。
「死体に関して彼らの正体を確認できるものは何もありません。指紋さえも、きれいに消されていました。指に指紋がなかったということです。」
「犯罪学グループは、彼らの写真と歯科記録を照合してみました。我々は海外の記録も探しましたが、マッチするものはありませんでした。」とミジョン。
「彼らの所持品はなかったのか?」と部長。ヒョンギュが答えます。
「それも同様です。衣服や所持品はまったく普通のもので、特徴はありません。武器でさえも、その追跡は困難でした。ですが、ひとつだけありました。我々は体についていた泥(塵)を分析したところ、ちょっと特別なものがあったのです。すべての体、衣服、靴の上に、わずかな水とケイ素の化合物を発見したんです。それはおかしいと考え、さらに調査を行った結果、その化合物は、アクチノ閃石だとわかりました。」
「もっとわかり易く説明できないか?」と部長。
「アスベストですよ。それはまだ未処理のままですが。たとえ衣服や靴からそれが見つかったとしても、検死は、彼らの呼吸器官がそれに侵されていなかったことを示しています。つまり、彼らはそれに接触してからまだ間もないということです。」
「我が国に入国した後、彼らはアスベストに触れるような場所にいたということか?」とサウ。
「すばらしい!そう言えると思います。」とヒョンギュ。サンヒョンは、
「建設現場や工場でもどこで、そこいら中でアスベストは見つけられる。それは、手がかりにはならないんじゃないか?」
スンヒは、続けます。
「そんなことはありません。もしそれが、アクチノ閃石なら、あまり一般的ではないアスベストです。さらに、そのもろさのせいで、2003年に禁止されています。彼らは、非常に偏執的ですから、荒れ果てた場所を見つけ、そこに彼らのベースキャンプを開いたに違いありません。私は、その場所は、アクチノ閃石の採掘所か精製所、荒れ果てた施設や倉庫のどれかに違いないと思います。彼らは、我々の注意をそらし、NSS襲撃のチャンスを得ました。彼らのベースキャンプは、ここからそう遠くないはずです。捨てられた倉庫などすべてをリストにしたら、我々には大きなチャンスがあると思います。」
「よろしい。倉庫をリストにしなさい。終わったら、私に手渡してくれ。」とペク・サン。

会議の後、ジョインはスンヒを呼び出しこう言います。
「ブタペスト当局は、一度もそんな記事を送らなかったと言っているわ。」
「それじゃあ、どうしてこんなことになったの?あなた、自分でそれを見たんでしょう?」
「誰かが故意に、システムにあの記事を入れたのよ。」
「いったい誰がそんなことを?」と涙ぐむスンヒ。
「私にもわからないわ。それが誰かなんて想像もできない。」

チョリョンは、固形ウランのケースを開け、ドチョルに「どう組み合わせる?」と訊ねます。
「我々がちゃんとやります!」とドチョル。
「時間と場所に関しては、後でお前に指示する。それまで、秘密を保て。」
そしてチョリョンは、ヒョンジュンの様子を訊ねます。
「今のところ、問題はありません。NSSへの襲撃では、彼は大きな助けになりました。」

部屋を出たドチョルは、ヒョンジュンに「行って来い。」と。
ドチョルは、ヒョンジュンに言います。
「お前のおかげで、NSSの襲撃は、大成功だった。お前が喜んで協力してくれているのだから、私のほうも契約を実行する。」
「あなたがNSSから何を盗んだのか、話してくれませんか?」
「君を信用しないということではなく、我々はみんな環境の犠牲者だということだ。まもなくソウルの中心部で、想像もできないような大きなことが起こる。私は、君に絶対的な信頼を持っている。君がソンファと一緒なら、もう君の行動を制約することはない。自由に判断していい。」

自分を助けたテロリストのことを考え続けるスンヒ。
サウは、ペク・サンに言います。
「私はRNDデータバンクにあった起爆装置が盗まれたことを聞きました。つまり、ソウルの中心部が爆発の危機に陥るかもしれないということですよね。」
「そうだ。実際、お前と私を助けた集団は、我々がすべきだったことを達成している。たくさんの人間が、それが起きる前に捕まえられるかもしれない。行け!彼らの捜査を混乱させるのだ。」
「はい。」とサウ。
そこにスンヒがやって来ます。
「お話があります。」と言った彼女は、部屋を出ようとするサウを引きとめ、
「あなたにもこれを聞いてもらう必要があるわ。」と。そしてスンヒはこう言います。
「キム・ヒョンジュンは、生きています。」

ソンファと車で出かけるヒョンジュン。
「ここは?」と訊ねるソンファに、彼は「階段の上だ。」と。
そこに1台の車が彼らに向けて発砲し、そのまま走り去ります。
慌てて階段を駆け上るヒョンジュンは、教会の中に入り、「神父様!」と声を。
祭壇の前には、既に息絶えた神父が。
彼は、遺体の横にある聖書の間から、1枚の写真を見つけます。
そこには、幼いヒョンジュンと見知らぬ男が。

第12話に続く!

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